第2話
何度でも言おう、俺は女になっていた。
「何度言っても分からないな」
俺は異世界転生したことにはしたようだが、なぜか女になっていた。さっき、そこの水溜まりで自分を写してみたが、かなりの美少女だった。不思議なことに、髪が伸びていたが、よく考えたら、異世界転生したことや、女体化したことに比べたらそれほどか。 「あ、神だ。あの神のせいだな!」その時空から、一枚の紙切れが落ちてきて、俺の頭に乗った。その紙をとって見てみると、向こうに何か書いてある。
『ゴメン、転生させるとき、神のシステムコンピュータがバグを起こして、性転換プログラムが作動したみたい。いま全力で修復魔法掛けてるから、もう少し女の子でいて。
神より PS同時に美化プログラムも作動したみたいだから、美少女生活を楽しんで。』
「ふざけんな!」
コンピュータに魔法って、科学的なのか、ファンタジー的なのか。
「まぁ、なんとかなるか」
とりあえず、ここにいるままにもいかないし、向こうに見える街ぽい所にでも行くか。
あまり運動をしない俺が、長い草の道を歩いたというのに、なぜか疲れていない。これも美化プログラムのせいか?スタイルをよくなるようにするから、脂肪が落ちて、ある程度の筋肉がつき、結果、体力が上がったのだろうか。それにしても、この街に来てから、妙な視線を感じる。俺の格好のせいか?俺は今、学校の男子用の夏服を着ている。明らかに目立つ。おまけに、俺は今、女体化している。こんな格好の女子がいたら、元の世界でも目立ったろう。だが、ひとまず着替えるか。俺は、服屋と思われる店に入った。看板は意味不明な文字だったが、読めた。俺の脳がこの世界に対応したのだろうか。まぁ、今は服だ。俺は服を選び試着してみる。自分のセンスが少し不安なので、店員に聞いてみよう。俺は近くの店員を呼んだ。日本語のつもりだが、店員が反応したことから見て、この世界の言語だったのだろう。
「どうかな、似合っている?」
「はい、とてもお綺麗ですよ」
お綺麗、まぁ、『女性』を褒めるんだから、そう言うよな。俺は複雑な感情のまま、店を出た。なぜか、お代はいらないと言われた。俺を見ていた、店長の男が神を拝めたような顔だったが、関係あるのだろうか?
店を出た後、また、視線を感じる。明らかに男だけが俺を見ている。しかも、満面の笑みで。鼻の下が延びている気がする。あ、なるほど。美化プログラム。美少女生活か
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