第7話
婚姻届を出して晴れて俺たちは夫婦になった。大きく変わった事はなかったけれど、今までより一層2人の仲は深まったと思う。
結婚生活にも慣れてきた頃、俺はいつものようにるみに見送られながら大学に向かった。
用があって教授の所に向かおうとした時、数人の教授たちが話をしているのが聞こえた。
何かと思って少しだけ話を影から聞いていたら、その会話は、俺に対する悪口だった。
特に頭がいいわけでもないのに生意気だ。
性格も悪い。それにもう結婚してるとか。
どうせ大学生で結婚するくらいだから奥さんもろくな人じゃなさそうだな───。
俺はその言葉にとてつもなく傷ついた。
何より俺なんかはいいとしてるみの事まで悪く言うのは許せなかった。俺は急いでその場を後にし、大学を出た。今日はもうあんな所にいたくなかった。
「ただいま。」
「おかえり。早かったね。どうしたの。」
「えっと。……いや、何でもないよ!」
とてもじゃないけど今日あった事はるみには言えなかった。
「今何か言おうとしたでしょ。まぁ、話したくないのならいいわ。せっかく早く帰ってきたんだったら家事とか手伝って。」
「今日は無理。もう疲れたしイライラするし休みたいから。」
「今日は無理っていつもやってくれないじゃない。私だって疲れてるのよ。手伝って。」
「もううるせぇよ。無理って言ってんだろ。今度やるから。それでいいだろ。」
俺は初めてるみに対して怒りの感情を表した。
「今度っていつよ。どうせやらないんでしょ。もういいわよ。そこどいて。掃除するから。」
俺はるみの態度にイラついて家を出て散歩をしていた。俺は悪くない。なんであんな言われ方されなきゃいけないんだ。全てはるみが悪い。 そう思っていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます