第5話

俺たちは目的地の大学の近くに着いた。

「ふぅ。着いたな。思ったより遠かった。

ホテル予約してあるからとりあえず向かうぞ。」

「うん…」

「どうした?なんか元気ないな。疲れたか。」

「ううん…。なんか心配になってきちゃって。」

「なんだよ今さら。大丈夫だよ。2人で頑張ろう。おっ、あれだ。着いたぞ。」

手早くチェックインを済ませ、部屋に向かった。さっき不安そうだったるみも心が決まったみたいだった。

「今日はもう遅いし寝るか。俺はこのベッド使うからるみはあっちのベッドで寝てくれ。じゃ、おやすみ。」

「おやすみ。」


2人とも疲れていて、すぐに眠りについた。



────翌日。俺らは家探しのために不動産屋に来ていた。なるべく家賃が安い物件ということを条件に探しているとちょうどいい物件が見つかり、トントン拍子に話が進んで明後日からその部屋に住むことになった。そのあとそれぞれバイトを探し、またホテルに戻ってきた。


「今日も疲れたなぁ。明日はここでゆっくり過ごすか。そういえば、バイト見つかったか?」

「うん、来週からここの地元のカフェで働かせてもらえるって。」

「おぅ、良かったな。俺もラーメン屋で働くことになった。これからたくさん迷惑かけると思うけど、よろしくな。」

「うん、こちらこそ。もう疲れちゃったから寝るね。おやすみ。」


これから新生活が始まることに俺は大きな期待を膨らませていた。

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