第4話
「なぁ、俺らさ、家出して2人で暮らさない?」
「え、ちょっと待って、なに急に?」
「だってこのまま親に説得し続けてもらちがあかないじゃん。」
「そうだけど…」
「よし、じゃあ決まりな。明後日の卒業式の日の夜に決行だ。俺が迎えに行くから準備して待ってろよ。俺ら大学も同じだし、学校の近くに住めばいいよな。金はバイトで貯めたのがあるから何とかなる。」
「わ、分かった。準備しとく。」
俺は半ば強引だったけどなんとかるみに約束を取り付ける事ができた。
───そして卒業式の日。
友達と話しながらも俺はずっと今夜の事を考えていた。
「じゃあ、またいつか会おうな。」
「おぅ。」
友達に別れを告げ高校をあとにした。
早く帰って支度しないと…。
さてと、支度も終わったし、親も寝静まったしそろそろ行くか。
俺が家を出たと同時に向かいの家からるみが出てきた。
「じゃあ行くか。」
「うん。」
「何か緊張するね。」
「そうか。俺は別に平気だけど。おっと、色々話してるうちにもう駅だ。やば、あと3分で電車来る。走るぞ、るみ。」
「え、ちょっと…。もう、あいついっつも自分勝手なんだから。しょうがない、走るか。」
俺たちは急いでライトが眩しい電車の中へと入っていった。
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