ポップソング

第1話

耳の奥を横切る水平線に

波打つようなうねる風が吹いて

ここではないどこかへ思いを飛ばし

高揚感が日常を超える

音楽の中に囲まれていると

スーパーの値札が赤になっても

生活と切り離された体が

宙を浮いたり降りたりしていた

シャボン玉のように心を閉じて

割れたら本音を語れる最後は

誰に聞いて貰うのが良いだろう？

ポップソングはその力強さで

天国へ届く歌声になって

僕の感情を乗せてくれるもの

隣の家には明かりが付いて

会話が聞こえるほど静かな夜

幸せを掴めなかった僕は

ボリュームを上げて世界を消した