幼き日の記憶

幼き日の記憶②

 ある日、目が覚めたらいつもの公園ではないどこかに居た。


 緑豊かなその場所を散策していると、1人の少女に出会った。

 その少女は、いつも1人で花冠を編んでいた。

 たまに、遊びに来る小鳥と一緒に歌ったりもしていたけれど。


 少女は、僕の存在に気が付いた時に声をかけてくれた。

 そして、時々その少女と会話をするようになった。


 数日後、少女に僕は言った。

「君は今、幸せ?」

 すると、少女は言った。

「幸せですよ。」

「そっか…。なら、ずっとこのままだといいね」

 少女は、僕の言葉を聞いて嬉しそうに頷いた。


 僕は、本心から思ったことを少女に話したはずなのに、なぜか胸が痛くて苦しい。

 知らない間に、何かの分岐点を進んでしまったかのような…。

 でも、少女の笑顔を見ると自分の心は少しだけ癒された。

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