第２話　乙女の独奏曲

　私は歌うのが好きだった。

　聞いてくれたみんなが喜んでくれるもの。

　でも、好きだからこそ歌えない事もあるのだと知っている。

　だから、私が奏でる歌は自分で紡いだ言の葉だけ。

　歌うのって、こんなにも楽しくていろんな感情が全身に流れてくるのね…。

　再び言の葉を紡げるのだから、今度こそ届けたいの。

　もう…誰にも利用なんてさせない。

　私の声（うた）も、彼女の歌（こえ）も。

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