第5話

[誰でもきっと、輝きたい。]


ナレーション; これは笑いあり感動ありの青春恋愛物語 ! 文化祭の劇なのに、って?まぁまぁじっくりと見てくださいな。それでは。


「垂線はうっすいせんで引くのです。」


友達A; 「おい、光!いつまで落ちこんでんだよ」

光; 「なんもないって。。」

*此処から友達AはAと表記します。

A; 「やっぱ、お前、平田が居なくなってから変だって!だって元気ねーもん」

光; 「智子はもういないだろ!その話やめなよ」

A; 「そっか、ごめんな。元気出せよな」

セットが変わる。家にて

ピンポーン、どう見てもおかしな格好の配達員が速達で手紙を持ってくる。

配達員「あのぅ速達ですぅ。あ、家ん中入っていいですか?」

光「は?」

女装をした配達員が主人公を誘惑する

光はばっと速達を奪い、配達員を閉め出す

配達員「また来るね~」といって観客に手を振りながら去る。

光は破くようにして速達の封筒を開ける。

なぜかって?そこでナレーションが、

ナレーション「光君へ。·······智子より」

はっきりといっていなかったが、もう亡くなっていたはずの、恋人、

その智子から自分宛に手紙が来たのだ。そして中に入っていた手紙を読む。

(ナレーション

光君へ。

お元気ですか。バスケット上手くなりましたか?

私がいなくなって少しは寂しいですか?もう3ヶ月経つけど

自分で死んじゃったりしないでね。私みたいに一人で悩まないでね。大事なものはいつも側にあるよ。ゆっくり考えてね。

光君はいつまで輝いていてください。(私の分も!)

                         智子より

光「大事なもの···」

繰り返す


セットが変わる

翌朝、光は部活に行く為、最寄り駅まで行く

歩いて5分位なので電車が出発する25分前位に家を出る

時刻をしっかりアピール!!


*************************************************************************

ピポーン

メールの着信音がなる。彼がこの部屋を出ていってからもうかれこれ25分ほど経っている。遅い。。。一階でなにをしているのかは分からないが、流石に遅いと思う。

しかし、それにしてもさっきの脚本の面白味が全くわからない。

彼女には申し訳ないが、普通よりも、イマイチよりも下の評価が、僕の中でついている。宛先のない列車に乗らされているみたいな自分たちが無償に悲しい。

あと少しで文化祭だと言うのに。

そんなことを考えていたらメールを見ることを忘れていた。

予想通り新村からのものだ。

一階にいるのなら直接言えば良いのに、と思ったが、どうやら違うようだった。

彼は今、近くの公園で、劇出演メンバーと、打ち合わせや、練習をしているそうだ。その為忘れていた脚本を持ってきて欲しいと言った。

まるで、家に置き去りにしている僕の事なんか気づきもせず。まぁそれでも壊れないのが彼との絆だと僕は思ったのでしぶしぶ公園に向かう事にした。


公園までは此処新村家から、歩いて10分ほどの場所にある小学校のころ良く行っていた場所なので、道に心配は要らなかった。逸れでも気になったのは鍵のことで、彼に閉めなくても良いのかと、坦々と訪ねると、オートロックだからと、当たり前のことのように返された。なんやかんやで、もう11時を回っていて、時間の流れに久しぶりに驚かされた。


玄関を出て四歩ほど、進むと「カチッ」という電子音とはほど遠い音がした。確認のため戻って鍵がしまったか、見たのだがその必要などなかったようで、しっかり鍵は閉まっていた。

そのまま、良いペースで公園に着いた。11時14分無事到着だ。

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誰でもきっと、輝きたい。 カエルウオ @ahins113

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