第101話 始まってからの三日です6

「アヤトー、後で遊ぼうぜー。」


授業が終わって帰ろうとしていると、アレフが声をかけてきた。

帰ってからは特にやることも無いので了解と返事をしておく。


「二人もどう?」


ルーシェちゃんとミリアちゃんにも声をかけるアレフ。


「いいわね。」

「……うん。」


ミリアちゃん、恥ずかしがりやだったのにもアレフ達の誘いにオーケーを出すようになって……

僕はとても悲しいっ。

おっと危ない、フリッツさんが乗り移ってきていたな。

言い直そう。

僕はとても感激しているっ。


「じゃあ、ご飯を食べてきてから校庭に集合な。」


ビートがそう言い、僕たちは教室を出て行く。

扉が閉まる瞬間、何か聞こえた気がした。


「午後、こうて――」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ダッシュで家に戻り、ご飯を食べて再び走って戻ってきた僕は……


「いてて……」


「……大丈夫?」


横っ腹を痛めていた。

両手で押さえている。

ひ…脾臓が……


「おいおい、アヤト、しっかりしてくれよ。」


そう声をかけてくるアレフに片手を挙げて答える。


「三ミニ、三ミニだけ待って。」




三ミニ後、復活した僕はみんなと何で遊ぶか話し合っていた。


「鬼ごっことかどうだ?」


「うーん、いやそれよりもこの前アヤトが説明してくれたあれはどうだ?」


「……そういえば何か言ってたね……zzz。」


そんな感じで、今日やるのは向こうの世界のドロケイと缶蹴りが混じった

『怪盗団』に決まった。

まず警邏と怪盗に分かれる。警邏は怪盗を追いかけ、

怪盗は警邏に捕まると、指定された場所に留まることになる。

怪盗が警邏の陣地にある石を盗むと、掴まっていた怪盗は逃げることが可能になる。

石の周り半径二メーテ程には警邏は入ってはいけない。

怪盗を全員捕まえれば警邏の勝ち。

石が三回盗まれれば怪盗側の勝ちである。


「ここじゃあ、ちょっと狭いからここを警邏の陣地にして

範囲は村の中でいい?」


これに全員が頷く。

じゃあ、今いるのが六人だから……


「とりあえず、三三で分かれてみよう。

もし、駄目そうだったら変えるってことで。」


そう言ってチームわけをしていく。

身体能力的には……

うげっ、やりにくい。

昔から父に体術を教わっている僕。

そんなに運動が得意じゃ無いミリアちゃん。

昔から走り回っているだけあって得意な方のアレフとビート。

かなりの身体能力を誇るルーシェちゃんに、

意識がはっきりしていれば相当だが大体寝ているジョーカー的存在ギーム。


これは偏っても仕方無いからランダムで、と適当に石を持ってきていると……


「おやぁ、なにか楽しそうな事をしてるなぁ。

俺らも混ぜてくれよ。」


後ろからそんな声が掛かった。

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