第9話
空調設備。
雲消霧散に壮大な機械音。
前の状景をただ放映する。
破壊したいこの生活調律。辞めたいさっさと。
元気が一つだにない。元気なく見えてもいるかな。助詞使うの面倒。
誰かと空間を共にしたくない。わたしが存在すると空気悪くねって呟かれるから。非効率的だから。
この時間わたしは駅ビルに一人。北風捲り昇るスカートをベンチで抑える。木柵のウッドデッキ。
眠い。あくびばっか出る。努力は捗らずに、コートに拳を収容して鞄の整理で時間を仲裁してる。
わたしは暇なのか。全く違う。暇なのは逆だ。わたしは義務も野望も横溢、だけど目標を定めた瞬間完全な自己満足に中断する。この街でわたしだけだったら良いけど。
中止の連続で勢いがない単調と不調を送って蟠りが巣作りしたわたしの腹の中は、疲弊が満ち欠けするようになった。曇り空に抱かれて気絶したい退廃側の望む先。抗おうと考え直したけど眠り姫で妥協しようというわたしは過去に揶揄されそうだ。どれも現状に照合することだけど。
瞼の裏側を見ていたい。蹲み込んでわたしを守りたい。黒く暗黒で暗闘で暗箱で暗幕で暗函で暗然で暗黙な内在。危険を含めて無であってこそ安定できる。多衆と生きてる感覚異なるからね。
占領するのは辞める渇望。悲願の花が墓地に咲いた。
辞めさせてよ。周りを憂慮してる場合だと死と隣り合わせ。
辞めますね。辞めますね。ヤめます。
駅ビルから飛び降りた。
階段を使って。
行き先で一人じゃなくなった。
「頑張ってみようよ」
あの娘が言葉を産む。
優しく、わたしを傷付けないような語りで。
ごめんなさいこんなわたしで。
非情に悲しくなった。
ヤめたら親戚がどう証言するか想像してみた。
心優しい子だったんです。
あ。
泣いた。
わたしの人生、酷過ぎる。
公共の場を顧みないで決壊。
感傷が収まらないね。
心の傷が治らないね。
強さ弱さの問題じゃないけど。
日を追う毎に文字数が減ってゆく。
日を追う毎に。
春から始まって年を終える頃には。
わたしが終わりゆく。
自殺に当たって実感する。
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