第7話

ピアノを弾こう.ピアノが恋人だから.音楽室に行こう.音楽室が我が家だから.一人で楽しもう.一人が家族だから.

高い音.低い音.高い音.低い音.低い音.高い音.低い音.高い音.低い音.低い音.

グランドピアノの巨体とベージュの四壁.部屋着に着替えてピアノを叩いた.鍵盤と遊んだ.わたしの呼吸は不協和音.だと再現した.ピアノをしまって,どうしよう.外にわたしの居場所はない.家で謹慎するしかない.周りを気にすることがないよう.

寂しいわけないんだから.

寂しくなんか.






ね.

えへへ.



一人お気に入り.

わたしは一人で.わたしは一人で.

わたし一人だけど時々楽しい.わたし一人が最大効率.誰かに何か言われるくらいなら.一人が良いだとずっと分かる.可哀想なのは君たちかな.一人の良さを優遇してほしい.わたしはこれで正しいんだから.わたしはいつだって一人なんだから相談しようたって無駄なんだから.命に響かないから.別に他人とか知らないから.

誰に見られたところで.誰にも見られたくない.どうせばれないなら匿名で証明するか.特別自由な現実でわたしはここにいます.見た目は健康.素肌はぼろぼろ.中身はわからない全てが病巣で.元気がないのか大人しいのかどっちって,どっちも.単に疲れたとかしんどいとかじゃなくて昔からの因果で抱えている事情があるから.マイナスの帯電がこれほどなのは今が最悪.次,また嫌なことがあったらわたしはここにいるのかな.このままうっかり.

わたし楽しくなくていい.無表情が本来の顔立ち.これがわたしは不幸に似合う.

未来予知すると,弱いとかそんな甘い表現しないでほしい.勝手な解釈しないでほしい.人口は多過ぎると困るから減ることは悪いこととは限らないでほしい.そっとしておこうね.わたし達の最終地点まで.

泣いちゃうけど.

えへ,大丈夫だって.

わたしはまだまだ生きていくから.,...?..

静かな音.静かな音.静かな.

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