コイバナと物陰
「にゃるほど、ベリ子さんを呼び出せばいいのにゃ」
「まぁ、エースさんやその他の方である可能性も捨てきれませんでしたからね……」
「それじゃあ早速、呼んで来るから頑張れにゃあ」
「嗚呼!ㅤこういうときの無神経ってホント強い!」
ㅤテクテクテク。
「お墓の裏手へ来るように言ったにゃ。わがはいは物陰に隠れて見ているにゃあ」
「……」
ベリ子「どうしたの?ㅤ アダムくん。こんなところへ呼び出して」
「実は……ヒトの気持ちについて知りたいことがありまして」
ベリ子「人の気持ち?」
「コイとか、アイとか……ロボットからしたらよくわからないんですよねー」
ベリ子「どうしたの、突然」
ㅤ急な質問に、戸惑いながらも、微笑みを返すベリ子。にゃ。
ベリ子「私だって、言葉で説明するのは難しいけど。でも、悪くないかなって思う」
「わ、悪くない、とは?」
ベリ子「傷ついたり、イラついたり。凹んだり、傷つけたり。恋をすると、誰もが素敵な気持ちだけでいられるわけじゃない。それでも、悪くないって思うの」
「何だか、難しいですね」
ベリ子「アダムくんも、してみればわかるよ! ㅤって何か、語っちゃってごめんね。それに……」
「いえ。わかる気がしてきました。ワタクシにも」
ベリ子「そっか。こんな話、めったにしないから楽しい」
「実は、ワタクシ。何かが変だと思っていました。この気分は何だろうと、夜も眠れずに考えました。きっと、この気持ちが……」
ベリ子「恋、してるんだ」
「ええ……ぁい?」
ベリ子「まだ、私とアダムくんの秘密ね」
「嗚呼……かしこまりです。楽しいひと時を、ありがとうございました」
ㅤペコリ。
「ダンボールの中、意外と気持ち良いにゃ。これはハマりそうだにゃ!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。