第2話異世界召喚されちゃいました。

眼を開けると、目の前にはやはりガイアがいた。だか、明らかにさっきと違うのは見慣れた教室ではなく、樹木が生い茂る見たことのない場所だということだ。

「はーい、注もーく。これからこのゲームの説明をしちゃうよ!まず、あなたたちの持つスマホやタブレットはこの世界専用に変わりましたー。マップを見たり、通話ができるよー。次に、このゲームのメイン、あなたたちに倒してもらう敵さんの紹介だよっ!」

やはり、ガイアは楽しそうにしゃべっている。

「ミノタウロスくんと、エキドナちゃんと、ヒュドラくんと、メドゥーサちゃんでーす」

ガイアがパチンと指を鳴らすと、4体の怪物が現れた。

「これ倒せって言うのかよ。無理に決まってんだろ!」

怯えたクラスメイトが叫んだ。

「そうよ、絶対に無理よ」

次々とクラスメイトがその場から離れていく。

「お願いだ。残ってくれ!どのみちこの世界から出るには、あの怪物たちを倒さなくちゃいけないんだから」

委員長が必死に叫ぶ。

「ふざけんじゃないわよ、こんな世界で死ぬなら、のうのうと生きてやるわ!」

そりゃそうだよな。よし、俺もここから離れるか。そう思い、歩き始めた瞬間、ガイアがさっきまでとは違うトーンで話し始めた。

「逃げる人たちは皆殺すよ、見てて楽しくないもん」

その忠告を聞いてはっと、俺は足を止めた。

この感じは、ヤバい。寒気がした。忠告を聞かないクラスメイトは歩みを止めない。ガイアが呟く、

「やっちゃえ」

その言葉で、ヒュドラが動きだし、逃げようとするクラスメイトの腹を簡単に貫く。大量の血が辺りの草を真っ赤に染める。

「安心して、逃げようとしなければやらないから。あと、ここで死んでも死なないけれど、痛みはちゃんと味わってもらうから」

笑顔で人を殺したガイアは、そう言う。

「あと、あなたたちの端末には、今後に重要なことがかいてあるから、よく読むよーにっ」

そう言い残して、ガイアはまた、光と共に消えていった。

「あぁ、これからどうしよう」

はぁっと、ため息が漏れる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る