終章
俺はいままで透明人間になりたい、そんなことを考えながら20何年も生きてきた。
なんの取り柄も人望もない俺は、結局、夢オチだったが、透明人間の生活を体験したことで他人の大切さ、一人でなんて生きていけないんだということを、酷く実感した。
夢を見てからというものの、俺は人となんらかの接点を持とうと努めて、毎日を送っていたのだが、結局、俺に興味を持ってくれる人なんてどこにもいなかった。
透明人間になったから孤独になった、なんてことはなかった。いままでの俺がそんなことを感じられずに生きられていただけだった。
俺はいままでもずっと透明だったんだ。夢さえ見なければ、こんな風に思うこともも、寂しさのあまり生きるのが辛くなることもなかったのに。
だが、もうそれも終わりだ。
俺は近くに他人がいるから、誰かが自分に興味を持ってくれるんじゃあないかなんて幻想を抱いて、一層傷ついてしまうんだって気づいたんだ。
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「速報です。今日10時頃、男性が線路に飛び込み、間も無く死亡が確認された模様です。この人身事故を受け、〇〇線は一部運行停止、〇〇駅〜〇〇駅間の折り返し運転を実施しています。」
なんて素敵なユメの世界 @naoriino
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