あとがき
これロボット必要ないのでは? と悩みながら書いていました。はい。
初めは「ロボットで戦う感じ良いよなあ」という安易な気持ちでロボット物を書こうとしたのですが、原動力がブラックホールという発想から色々なものが狂い始めた感じがします。
地球教教主であるゲルトが、地球を人間から守るために地球をブラックホールに呑み込ませるという言動からも察せるかな、と。
ただ、主人公であるユキに『過去を観測する右眼』と『未来を観測する左眼』の両方を持たせたのはどう考えても失敗でしたね。どちらかだけなら、と考えると、やはりユキが持つべきは左眼で、右眼はゲルトだったのでしょうか。
実のところ、初期プロットでは神という存在が普通にいました。
別にもとは異世界転生だった、とかではないですよ?
ただ、神がいて、時代の節目ごとに人間に人智を超えた能力を与えているというだけなのですが、そのせいでユキの親友であるところのアランが死ぬべきところで死なず、そのために一度投げました。もし神が関わるような作品を書く機会が今後あるならば、概念じみたナニカではなく人の形をしたモノがいかにもな形で登場すると思います。
おそらくですが。
前置きが長くなりました。ざっとした解説を始めたいと思います。
舞台は人間が宇宙で生活するようになってから二世紀が経過した、という世界ですね。宇宙に住む人々は、当然ながら『地球』に関する知識はありますが、記憶はありません。人類が進歩、あるいは進化した結果宇宙に住むことが可能になったのですから、宇宙に住む人々が地球に住む人々を見下すのは当然でしょう。
見下しているからこそ、自分たちの優位性を示すためにGPSの製造法を宇宙政府は地球に住む人々に教えたのですが、それが革命の剣となってしまった、ということですかね。
ユキがGPSの設計やOSのプログラミングで天才的な一面を見せたのは、当然左眼を用いて未来のGPSなどを観測したからです。なんだかややこしくなりそうですが、大して未来は変わってないと思うので大丈夫でしょう。
ただそうなると、何故アランやユリアなどの主要人物が殺されてしまったのか、と疑問に思う方もいらっしゃると思います。それをスパッと解決するような専門用語がたしかあったはずなのですが、思い出せないのでなんとなく説明させていただくと、「未来を変えようとしても、変えなければならない事柄が不変でなければ、その行為に矛盾が生じてしまう」みたいななにかですね。伝わらないですね、これは。
アランを殺すまいと努力しても、その努力はアランの死が中心となっているために、未来はアランの死に収束してしまうということです、はい。あってるのか……?
歌姫を登場させたのはユキの眼を解説するためです。
地球教を敵に置いたのは、個人対個人がアレだなー、と考えたからです。ラストバトルでは普通に一対一でしたけど。ゲルトは立派な教主であろうとするあまり、地球教そのものとなってしまっていたんだー、と言い訳させてください。
ロボの名前をいろんな国の神様から引っ張ってきてたのは、単なる趣味ですね。神様についてちらっと調べるのが好きなだけです。もしかしたら、初期プロットの名残かもしれませんが。
最後に、この自己満足のために書かれたような作品を活かす機会をくれた桐生龍次様に感謝の意を表して、終わりとさせていただきます。
Fateful Gazer めそ @me-so
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