あなたとわたしとあなたの隣に
@subaryu
第1話 わたしのプロローグ
思いがけない日々
毎日が幸せだと感じる日々
私がずっと笑顔でいられる日々
そんな想いに夢を描き始めたのはいつからだっただろうか…
少なくとも私が小学生の時にはその想いはあったのだろう
自覚していないだけで心の片隅にはすでに存在していた
中学生になって心の余裕が感じられると同時に心の狭さも感じた
友達同士けん制し合い、友達が友達で居られるように、何かをしないと、話題を作らないと…
高校生に進学した時は今までの友達が友達でなくなり
友達ではなかった人と友達になったり
更に心の狭さを感じ、心の余裕を失っていくように感じた
結果的に高校生の間は、ただ単に過ごしていくような時間に感じられた
特に意味も無く、特に感情もなく、日々の時間を無難にクリアしていく
ゲームのような、恋愛シュミレーションのような展開も無く
私は大学へと進学していく
大学への進学は、単に就職という概念が高校生の時にまだなく
進学することによって先延ばしをしただけの事
そう思っていて、でも想ってはいなくて、よくわからないまま大学へ進学していった
入学式
はれて大学生となった私寺田みちるは、学校の前の坂を上り始める
近くの大学に進学した私は、あの急な坂の上にある大学を選んだ
女の子にとってはちょっと辛いであろう長い坂だ
敬遠され気味なこの坂は、運動部には絶好の運動場ではあると同時に
一般生徒にはとても酷評である
しかし、電車に乗って隣町の大学に行こうとは思わず
坂の事も考えずに私はこの大学を選んだ…
選んだのだが…
(どんだけ急なのさこの坂は!!もう!!)
大学生活1日目
すでに心が折れそうになっていた
ここを好きで選んだ奴はどんだけMなのだろう
私は決してMではない!!
そう信じたい……
10分掛けて坂を上った私は、右側に建っている校舎を見る
4階建ての築50年という古い校舎で、所々改築している様子がわかる
地方では珍しい創立100年になる歴史ある大学だ
そんなパンフレットに書いてあった内容を思い出し、校舎を眺めながら校門へと辿り着き、これから4年通う事になる校舎へと足を進めた…
あなたとわたしとあなたの隣に @subaryu
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