34話ウサミの過去とウサミの思い
これは、ウサミの過去の話から始まるヒサと出会う話
生まれて間もない兎は親に捨てられたのか、自分から離れたのか、分からないまま、今日も草木を食べ天敵から逃げながら一人寂しく生きていた。
兎は今日も天敵、狐を見てがたがた震えながら身を縮みこませていた。
ある日兎は、安住の地らしき所にやってきた。
(ここは、あんまり天敵いないなぁ。ここなら安全に草木をたべほうだいだなぁ)
兎は、ぴょんぴょん楽しげに跳ねながら一人草木や木の樹液を探していた。
(ここは、天国だなぁ、何で私の仲間は、いないのかなぁ)
兎は、不思議に思いながらも、安全な所に何も思わなくなった。
暫く安住の地だと思っている所に、見た事も無い者を草木の影から見た。
(あの生き物は何だろう。まぁいいかなぁ。でも見つからないようにはしよう)
そしてある日とても美味しそうな匂いがした食べ物があるのに気付いた。
(何だろう?誰もいないよね。うん。誰もいない。食べちゃお)
兎は罠を知らなく食べ物を食べようとしたら罠が仕掛けて有り兎の足に齧り付いた。
(痛いよー!痛いよー!助けて!誰か助けてー!)
「キュー!キーッ!キーッ!」
兎は、助けを呼ぶがここには誰もいない。
この時初めて兎は、死を知った。
(怖いよー。死にたくないよー。誰か助けてよ―!)
兎は、助けを精一杯呼ぶが誰も来ない。
暫くすると足からドクドクと血が流れて意識が無くなり始めた時に足音が聞こえた。
「ん?こんな小さい兎食べるのもなぁ。うーん」
久二郎は小さい兎を、見てまだ食用としては小さいなぁと思っていた。
「うーん。何だか。可哀想だな。よし!助けよう!薬草採取してたし、霊草もある。助けられるな」
ヒサは、兎を見て助けようと決心すると罠を解除し、霊草や薬草を使い傷を手当てをし、薬草の食べれる物を兎に与え、治療した。
霊草の不思議な力により傷が完治していく。
更に久二郎が煎じた物を兎に与えるとみるみると血の気が戻っていった。
「よし!治療完了!こいつはここにはいない方がいいな。流石に飼うと食べなくてはいけなくなりそうだな。よし何処か獣が少ない場所に逃がすか。うーん。あの崖の辺の広場は、獣が殆どいないな。よし!連れて行ってやろう。」
久二郎は、獣が少ない且つ草木が多い所に、優しく抱きながら移動した。
暫く歩くと高台に出、見晴らしが良い所に来た。
「ここで、暮らせ。ここなら人間も殆ど来ない。まぁ。俺がたまーに来るぐらいだ。達者で暮らせよ。俺が助けたんだから変な死に方するなよ。じゃあな」
久二郎は、兎をこの場所置いて立ち去った。
兎は何がなんやら分からぬまま、呆然と久二郎を見送っていた。
それから二年たち兎は、人間の怖さを知った。
遠くから聴こえる仲間の鳴き声が聴こえてきたりしていた、気になり崖から少し遠出をした時、兎や狸や狐やらが罠に引っ掛かっていたのをずーっと見ていると、人間が来た。
(良かった。皆助かるね。その人達助けてくれるよ)
兎は、人間が、助けてくれると思っていたが最後まで見ると首を切ったりして、血を流されているのを見た。
(え?何で?何で、何で?助けるんじゃないの?)
兎は、初めて人間が兎とか獣を食べる動物だと知った。
(私は助けてもらった?本当に優しい人間に助けてもらえたんだ。私は幸せ何だ)
兎は、初めて久二郎に助けてもらえて嬉しくて嬉しくて堪らなかった。
それから更に二年と少し過ぎた頃兎は、自分の寿命が短い事を感じていた。
この兎は、生後余りご飯を食べていなかった為に寿命が少なかった。
(私ももうおばあちゃんになっちゃったな。最後にあの方にお礼が言いたかったな。)
今日も安全に草木を食べる
久二郎が裏切者が出て村を壊滅され、アキラを探しに高台の崖の広場に来た。
兎は、懐かしい匂いを感じて匂いがする方へぴょんぴょんと跳ねて移動した。
久二郎が崖っぷちでアキラを探していると兎も久二郎を探していた。
そして久二郎を見つけた。
(ああ!また会えた。嬉しい。とても嬉しい!私もあなたみたいに大きければあなたの役にたって恩返しがしたかった。)
兔はとても嬉しくて久二郎の状況も知らず会えて嬉しくて久二郎に飛び込んだ。
「うさぎーっ!助けろーっ!」
その時久二郎は体制を崩し体制を整えようといていたが兎が跳んできて、久二郎は兎を受け止めてしまった。
そして久二郎は、兎と共に崖から落ちた。
そして落ちた時異世界に迷い込んだ、久二郎と兎は、異世界にいた。
兎は、何も考えていなくて只々久二郎に会えたことに喜び嬉しかった。
「お前の名前はうさみだ!」
久二郎が兎の名前を名付けると兎は変化した、そして、進化した。
大きくなった兎、改めうさみは、嬉しかった。
これで恩返しが出来る!これで久二郎の役に立てる、そして久二郎を助けると心から決心した。
そして新たな兎うさみの新たな生き方、新たな人生が始まった。
これは、この出会いは運命なのか、それとも久二郎の偶然の産物なのかは、誰も知らない。
うさみも今は気にしてない。
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