第4話 胡椒餅と大腸麺線
さて、どんどんいこう。
グルメ編続きである。
餃子やまぜそばならまだ容易に想像がつくだろう。だとしたらそろそろ変化球が欲しいところ。
屋台の食べ物編に突入したい。
何と言っても台湾の屋台と言えば
その夜市で売っている物も様々だ。
『饒河街夜市』
日本風に読むと「ジョウガガイヨイチ」だが、ガイド曰く「日本人の読み方で100パーセント通じない」との事なので漢字だけ覚えておけば良いだろう。
地下鉄の松山駅から徒歩三分程の場所にある。
入り口を見ればたいそう賑わっているので迷うということはまず無いだろう。
何しろ大々的に「観光夜市」と銘打っている。屋台も一直線に伸びているので往復するだけで全てを
そこで有名なのが入り口付近にある屋台の「
胡椒餅とはパリパリな皮のお焼きにエラく胡椒の効いた豚肉の餡がたっぷり入っている物のこと。平たくいうと饅頭。いわゆる片手食べ歩きフードだ。
餡の味はコンビニの肉まんと大差ないが大きく違うのはとにかく胡椒が効いていること。皮に着いているのか餡に含まれているのか最終的に分からなくなる程に胡椒の味がする。
塩気もあるし酒のつまみの様な味だが、皮があるので腹にも溜まる。どちらにも振れる臨機応変な食べ物だ。皮もパリパリと焦げて美味い。
ひとつ注意としては駅側から行くとまさに入り口付近に店があるので雰囲気にほだされてついつい最初に買ってしまうことだ。胡椒餅は腹に溜まる。もしこれから夜市を存分に楽しみたいなら、あるていど屋台を冷やかしてお腹を空かせてから最後に買う方が無難かもしれない。
何しろお腹いっぱいでまわる屋台ほキツい物はない。程よく空腹でまわるくらいが丁度良い。
もう一つ屋台飯である。
『士林夜市』
こちらは地下鉄で台北駅から15分ほどの所にある劍潭駅で開かれる夜市。イメージとしては上野のアメ横に近い。屋台飯だけでなく雑貨も売られている。チープな物が好きな人は覗いてみると良いだろう。
そこで売られている台湾代表の妙な食べ物。
それが「
麺線と言われても全く想像がつかないだろう。字面を見ても何となく麺類だろうなくらいしか分からない。
簡単に言うと、ドロドロにとろみのついた醤油スープに、同じくドロドロになった不揃いな大きさの
スープはカツオ出汁とニンニクがこれでもかと言わんばかりにガツンときいている。蕎麦のつゆにニンニクが入っているような不思議な味だが、考えてみればカツオの刺身を食べる時にニンニクを薬味として使うので相性は決して悪くない。むしろ親しみ易い味だ。
中には麺とモツだけ。モツの臭みはニンニクで消えている。麺線は店によっては看板に「大腸麺線」と「蚵仔麺線」と書いてある所がある。大腸は想像がつくが蚵仔と言うのは何なのか。調べてみると
これをアイスクリームカップのひと回り大きい様な器で提供される。もちろん使い捨て。なのだがこの時渡されるのが何故かレンゲなのだ。スプーンでも箸でもフォークでもない。レンゲ。プラスチックの何の変哲もないレンゲ。どうしてか、頑なにこれで食えと言われる。
店の名前は『阿宗麺線』と言って、屋台ではないのだが半露店的なお店だったのでつい買ってしまった。後から知ったが有名な店らしく、士林夜市の店は分店だそうだ。本店は台北駅のすぐ近くの西門駅の側にある。この店のウリは大腸麺線のみ。大と小二種類のサイズがある。買うときにサイズを聞かれるだけなので英語・中国が全く分からなくても楽に買える。この買いやすさは専門店の強みだろう。
まだまだ夜市には魅力的な食べ物が多数存在するがあくまでも外国の屋台ということを忘れないで欲しい。
胃腸に自信ない人や体調の悪い人は考えてから行動するのがいいだろう。
ちなみにここで挙げた二種類の食べ物は比較的お腹への負担は少ないので安心してトライして欲しい。
以上、台湾屋台飯入門編。
再見
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