2#ビーチボールがこんなに膨らんじゃった?!
「オムーーー!!」
「オムぅ~~~~」
ポチとセルパは、転がっていったビーチボールを追いかけたまま行方不明になったオムを、森の奥から奥まで虱潰しに探し回った。
「はあ・・・はあ・・・」
「はあ、はあ、」
「見付かった?ポチ?」
「こっちも見つからない。セルパ。」
「・・・ったく、何処へ消えたんだ?オムの奴?」
ずううううん、ずううううん。
「ん!」
「なんじゃこりゃ?!」
2匹は面食らった。
「で、でけーーーー!!」
「び、ビーチボールがこんなにでっかくなっちゃった!!」
目の前に、転がっていったビーチボールが約10倍の巨大になって膨らんでやって来たのだ。
「みんなーー!!心配してすまーーーん!!」
巨大になったビーチボールを担いでいるのは、あの行方不明になっていたオムだったのだ。
「オムぅーー!!心配したよ!!」
「しっかし、どうしたんだ?このビーチボール!!」
「叢の側に空気が抜けて落ちてたこのビーチボールを、俺が元通りにしようと空気栓から口で息を吹き込んでパンパンにしようとしたら、こんなにでっかくなっちゃった!!
これ、空気ビニールじゃなくてゴム風船でしょ?!
ねえ、この俺の吐息のいっぱい詰まったビニールで遊ぼう!!」
「ひゃーーーっ!!」
「パンクしちゃったら一溜りネェェェ!!」
2匹は、垂れ下がった耳を前肢で塞いで仰け反った。
「そう?」
よろっ・・・
「おっととと!!身体中の空気を使いすぎて、フラフラするぅぅぅ!!」
オムは、巨大風船と化したビーチボールを担いだままあっちフラフラこっちフラフラ、ポチやセルパに持たれたりして、フラフラフラフラと千鳥足になってふらついた。
ぐきっ!!
「あっ!躓いた!!」
「あっ!!」「きゃっ!!」
オムは転倒して、コロコロと担いでいた前肢から巨大ビーチボールが転がっていった。
「わーーーーー!!」
「!!」「?!」
コロンコロンコロンコロン、
ブスッ!!
ばぁーーーーーーーーーーーーーーーーーん!!!!!!
「ひゃーーーーーーーー!!」
巨大ビーチボールは、地面の鋭い石に触れて、轟音を発して大爆発した。
「う・・・」
「ばたん。」
「きゅーーー。」
「あらぁーーーーー。3匹のわんこみーーーーんな気絶しちゃったわ。」
破裂した巨大ビーチボールの中から、1匹の白い巨大なクマが飛び出してきて、辺りを見回した。
「しょうがないわね・・・」
白い巨大クマは、3匹の猟犬の垂れ下がった耳を捲ってフーーーッ!と鼻息を吹き込んでみた。
「ひゃーーーっ!」
「うわーーー!」
「あ、クマ!!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます