1st_Curiosity killed the cat. 03

 始まる? いったい何が始まるんだ。

「HATAMID《ハタミッド》、投与」

「始まるぞ、暴れるなよ」


 と声が聞こえると、突然外の景色は濁る。

 何も見えない…と思ったら、ゴゴゴゴという音がしだした。


 ボコッ ボコボコッ

 泡が上から入ってきた。いや、別の液体を入れている…?


 ピリリッ


 …っ! 身体中に刺激が走る。

 痛みを感じる。チクチク刺されるような。

 それに、全身が熱い。なんか、言い表せないような、何かが変わってしまってる感覚…。


 刺激が走って瞑っていた目を開ける。痛みに耐えつつ、自分の体を見る。


 なんだ…なんなんだよこれっ!!


 自分の体…なはずなモノは、明らかに『毛』が生えていた。『毛』が生えるってどういうことだ、と思うかもしれないが、それ以外の表現が考えられない。


 恐る恐る耳を触ると、耳たぶ…いや、そもそも耳自体が大きくなって、柔らかくなっている。丸い感じの、垂れた耳。目には見えないが、手で分かる。

 鼻もむずむずしだしてきた。触ってみると… 鼻と口が突き出ている!


 おかしいことが起きている。言葉で言えば簡単だ、でもそんなことはあり得ないはずだ…

 僕は、人間ではなく、動物になろうとしている、だなんて…


「…っ!」

 また刺激が走る。刺激というか、いよいよ思考が飛びそうな感覚。

 痛みなのか、快感なのか。何もわからなくなるような、まさしく電気ショック。

 それを感じた瞬間… 僕は気を失った。




「実験は成功ですね」

「ああ、これで… 私たちは…」

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Transmagic in 21st. 桐生龍次 @Ryu-G-Carlos

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