第29話 世界の終焉


「おい!目を覚ませ」

「お願い目を開けて!」

「頼む目を覚ましてくれ」


目を覚ます。いつもいるはずのまさとがいない。その代わりにきょうすけがいる。


「よお、起きたか」


「ああ、今目が覚めたよ…」


「どうする飯にするか?」


「そうだな飯にしよう」


いつもの食堂には誰もいない、あまりに静かすぎる。


「きょうすけこれどういうことなんだ?」


「なあ、あきら。お前はここでの生活は楽しかったか?」


「何言い出すんだよ楽しいに決まってるじゃん」


「そっか、ならいいが」


きょうすけが席に座る。無論食事はない。


「お前はもうすぐ目を覚ます時が来る」


「え、いきなり何を言って」


「なぜここに生徒が一人もいないと思う?なぜ声が時々聞こえると思う?

それはだ、みんながお前の帰りを待っているからだ」


「どういうことだよきょうすけ!?」


「お前は現実世界で事故にあった。そして今お前は昏睡状態にある。お前は目を覚ましても記憶喪失である可能性話が高い。だから俺はこの世界を作り出したんだ。お前のためにな。そこで思い出を作って欲しかった。お前だけのたった1つの思い出を。いやそれ以上にだ!」


「きょうすけ…」


「後はお前次第だ、俺はこの世界から出る。あきら、お前と過ごせて幸せだったぜ」


目の前にいたきょうすけが透明になり見えなくなる。


そんな、、、まさか…俺は、一体、どうすれば…



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