第26話 あきらくん
「ちょっと、りかちゃーん。ここからじゃ男子寮の様子が丸見えじゃない!」
「ふふーん、それでいいんですよ。ほらあきらくん起きましたよ」
あきらくん、朝起床、時間は7時ちょうど。まさとくんに見守られて目を覚ます。
「なんか暑苦しいシチュエーションだね…」
「そうだね…さやさん。あ、学食へ向かいましたよ。私たちも急ぎましょう」
学食につく。既にまさとくん、あきら、きょうすけさん、ジンくんは席についている。
「ここ座るわね」
りかちゃんと隣の席に着き野郎どもと話をする。
「グールズの諸君!今日もデュエル日和ではないか!放課後はみんなでバンドでもしようじゃないか!」
「ちょっと待て、きょうすけ。今日もデュエル日和だとか言っといてバンドをしようってのは、なんか筋違いではないか?」
と、まさとくんが突っ込む。
「ならみんなで混浴風呂にでも入らないか?きっと気持ちいいぞ」
あきらは相変わらずの変態だ。なんでこんなやつと恋仲なんだろうと疑問になる時がある。でもここで私は思った。ここで私とりかちゃんが混浴風呂入りたいって言ったらどうなるのか試してみたくもなった。
そこでりかちゃんと小声でささやき合う。
「ねえねえりかちゃん。私たち混浴風呂に行かない?」
「ええ!?冗談ですよね、さやさん。混浴なんて…私嫌ですよ!」
「あきらのやつをさここでギャフンと言わせるためにここはあえてokするの」
「あ、なるほど。あきらくんのジョークを逆手に取る作戦ですね!分かりました!」
見てなさい、あきら!ここであなたのジョークを逆手に取らせてもらうわよ!
「はーい!私たち混浴風呂に賛成でーす!」
「はい、ジンくん一緒に仲良く入ろうね。
プシャーっとジンくんは鼻血を吹き出して倒れた。
あきらのやつも無表情になってる。さすがに堪えたのだろうか。
「なるほどさやもようやく僕と一緒に触れ合いたいと思ったんだね。俺さ、前から混浴風呂に入りたいと思っててさ」
「え、えっと」
しまったー!こいつが元々変態だということをすっかり忘れていたー!
「お、時間だ。じゃあ待ってるからね、さや、ニシシシ」
あいつ最後超ゲスの顔してたわね。
「さやさん。大丈夫…?」
「大丈夫って言われれば嘘になるけど、まあいいわ!絶対弱みを握ってやるんだから!」
午前の授業が終わり、昼休みの時間。私とりかちゃんは二人であきらを探していた。
「あきらくんどこにいるのかな?」
「あいつがいる場所と言ったらあこでしょう!屋上でしょ」
思った通りあきらは屋上にて、眠っている。
眠っている時のあきらはなんというか可愛い顔つきで、前に木下で膝枕してた時も同じ顔をしていた。
昼休み。あきらくんは屋上で昼寝…と。
「りかちゃん、一旦戻りましょうか」
「はい、そうですね」
屋上を後にする。
午後の授業も終わり、りかちゃんと共にFクラスに向かう。
すると確か異端審問会の人らともめあっていた。
「あきらよ!貴様はさや殿と恋仲であるという噂があるのだが、それはまことか?」
「え〜そんなこと言われてもな〜、答えなきゃダメ?」
「肯定だ」
「俺たちは人には言えない仲なんだ」
「ほほう、どんな風に」
「えっとね、ハート♪」
「殺す!」
「くそーまたあきらばかり!」
「こいつには鉄槌が必要だ!」
「やっちまえ!やっちまえ」
「お手柔らかに…ってぬわー」
放課後、あきらくんはクラスのみんなにボコボコにされる。
なかなか面白いものが見られた。普段お調子者で変態野郎のあきらがボコボコにされてるところを見てせいせいした。
「あれ…さやとりかもいたの…?」
そこで出てきたのはボロボロな姿のあきら。まあ、自業自得だわ…。
「これで今日の観察日記は終わりですね」
「あ、りかちゃん。どう?何か分かった」
「今日だけじゃなんとも言えません」
まいったわね。まあ、さすがに今日だけじゃ何にもわからないか。
「あ、そうだりかにさや。よかったらお風呂にでも行く?」
「・・・ええ!?」
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