第25話 女子会
「それでですね。話を聞いてくださいよ〜ジンくんってば私と付き合っておいてご飯も作ってくれないんですよ」
「へぇ…そうなんだ」
この日、私はりかの部屋でりかの愚痴を聞いていた。
普通女の子がご飯を作るものじゃない?とツッコミを入れたいところだが、
あえて最後まで聞いてみる。
「とにかく私への愛を感じられないんですよ!しつこく告白しておいて、付き合ったらほったらしとか男としてどうかと思いますよ。さやさんもそう思いませんか?」
「そうなんだ…」
返す言葉が浮かばない…。お弁当作ってあげないからってここまで言うかなぁ…。
ふと疑問に思ったことがあるので聞いてみる。
「それでジンくんとはどこまで進んだの?」
「そ、それは…」
ポカンとりかの頬が赤くなる。分かりやすくて可愛い子だ。
「ハグはしました」
「ほうほうそれでそれで?」
「それだけです」
そうなの!?てっきりもうキスとかしたんだと思ってた。ジンくんって意外と奥手なのね。
「それでさやさんとあきらくんはどこまで行ったんですか?」
「わ、私たち!?えっと、そうね…膝枕したり一緒にご飯食べたりしたわ」
「ええー!?じゃあもうラブラブじゃないですか。なら二人なら特別寮に入ることもできるんじゃないですか?」
「特別寮…」
特別寮とは仲がとても進展した男女が将来のことを見据えて共に生活できる特殊な寮のことである。その寮にいるのはクラスに1人か2人のレベルで少なく、そこはまさにリア充の巣窟である。
「ええー!私らにはまだ早いわよ!」
「へぇー「まだ」なんだ」
「えー!?そんなところに反応しないでよ。あの変態男と同じ部屋にいたら落ち着かないじゃない!」
「あきらくんは積極的でいいじゃない。ジンくんなんか何もしてくれないんだから」
何もしてくれないか…確かにそれって安全であるってことだけど、逆にハリがなくてつまらないかもしれないわね…。
「ってことでさ、明日あきらくんの観察をしてみない?」
ずごー。なんでいきなりあきらの監視をするわけー!と言いたくなる。だがちょっと万年Fクラスのあきらをからかうネタを作るにもちょうどいい」
「いいわよりかちゃん。明日あきらの観察をしてみましょう」
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