第23話 卑猥な木下

大きな木下。俺の脳裏にある場所だ。そこに今こうしてさやと2人で座っている。


「疲れたな〜」


「そうね〜」


余計な言葉なんて要らない。そう俺は膝枕を要求するんだ!さやの柔らかな感触とともに俺は眠る。


「なあ、さや。ちょっといいかい?」


「なによ?」


「今さやのそこあいてる?」


「膝のこと?何でそんなこと聞くの?」


「じゃあおやすみなさい…」とさやの膝のところに飛びかかる」


「え、ちょっと待って!?あなたは一体何してるのよ!?」


「何って?膝枕だけど」


ぐぅぐぅと眠る。さやは足をどけようとはしなかった。もしかして受け入れてるってことなのかー!うおーこのまま匂いとか嗅いでもいいかな?いいよなあ、こんなチャンス滅多にないからな…。でもちょっと待てよ。ただ吸うだけだったら「変態ー!何匂い嗅いでるのよ!さっさと離れなさーい!」って言われそうだな。

ならここは思いっきり息を吸ってくしゃみをして吸ったことは一連の動作でしちゃったことにしよう。


すぅーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

はーくしよろん!


思いっきり鼻で息を吸って吐いた。レモンのミントの香りがする。

ヤベェ興奮してきた。


よし!もう一回!


すーーーー ボキ!


吸う途中で殴られた。


「ちょっとあきら!あなたは何をやっているのかしら!?」


「何ってあれだよ、あれあれ、ちょっと風邪気味でな、だから咳が出たんだよ」


「じゃあ何でそんなに息を吸ってるのかしら?」


「そりゃあれだよ。草原の空気を思いっきり吸いたかったんだよ!」


「うわー嘘くさ。どうせ女の子の匂いが嗅ぎたくて息を吸ってたんでしょう」


「あれれ、さやさんやけに自意識過剰ですね〜何か変なものでも食べましたか〜」


ふご!


顎をグーで殴られる。さすがにこれは痛い。


「ゴメンナサイ、さやさんの匂い嗅いでました」


正直に謝る。


「別に私は正直に言ってくれれば、多少のことはしてあげてもいいんだからね」


「え!マジで!?じゃあパンツ見てもいいですか?」


「そんなのダメに決まってるでしょ!」


しまったー!やばいゲーセンでパンツ既に見ちゃったよ(ハート)とか絶対に言えなくなってるよ!やばいよやばいよ!これじゃゲーセンでさやが露出狂だったのバラせないじゃねぇか


「まあ、そんなことはいいわ!一緒に食事しましょう」


地面にシートを貼ってそこにお弁当を並べる。見た目は普通の弁当だった。


「これ全部食っていいのか?」


「いいわよ。でもちゃんと残さず食べてね」


ご飯トマト、きゅうり、ごぼうの煮付けなかなか和風だのぉ。


「さや」


「何?」


「俺たちは恋人なんだっけ?」


「何よいきなり?一応そういうことになってるでしょ」


「そうだよな…だけど分からないんだ。恋人同士ってどういうものなのかって」


「そうなんだ。あきら珍しくナーバスね。きっと一緒にいて…そうねムラムラするものなんじゃない?」


ぶー。飯を吐き出しそうになった。

いきなりムラムラする関係とか言いだしたらそりゃ吹きそうになるだろう!


「おい、さや。流石にそれは女の子が言うセリフじゃないだろ!」


「あれあれ?二言目にはNGワードが飛び出すあきらが珍しく同様してるわね」


「そりゃそうだろ!いきなりさやがムラムラとか言ったら俺が年がら年中ムラムラしてる彼氏みたいになるじゃねえか!からかってるのか!からかってるのなら少しは笑えよ!あーひゃひゃ」


「何?あきらもしかして壊れちゃった!?」


「いや、それいつも俺が抱いてる感情だから…」


俺とさやの関係、それは恋人というより友達以上という関係だ。



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