第17話 侵入

「最近暑くね?」


服を仰いで発言するきょうすけ。俺たちは今俺の部屋でまさとときょうすけと俺の3人でいた。確かに夏だけあって蒸し暑い。部屋にはクーラーがなく扇風機しかない。いくら自販機の飲み物を買って飲んでいても足りないくらいだ。


「だから肝試しをしようではないか」


「肝試しってなぁきょうすけさんよ。この筋肉さんがそんなもので驚くと思うか?」


「ふははは、そんなに俺たちの夏は甘くないぜ、いっつナイトフィーバーだ」


「弾けてどうするんだよ」


まさとときょうすけが会話してる横で俺は切磋琢磨にパック開封をしている。夏といえば肝試し、可愛い女の子と一緒に手をつないで、きゃ〜、ムフフな展開が待っている。しかも女子には縁がなかった俺にも春がやってきたではないか!まあ、今は夏だが。


「でよ、誰を誘うんだ?きょうすけさんよ」


「うむ、俺、まさと、あきら、ジン、さや、りかの6人だ!」


ちょっと待てよ。6人いるってことはペアは2人ずつの3組だ。ってことはだどれか1組みは男同士ってことになる。


「おーい!ちょっと待てーい!」


「何だよあきら?」


「このままだと2人の男子が残念なことになるって気がつかないか?」


「ふん、甘いなあきら。確かに男女のペア2つと男子2人のペアだったら2人の男子が夜のナイトフィーバーできないことになるが、だが女子同士と男子4人がくっついたらどうなる?」


「どうなるんだ?」


「ユリ男子ができるというわけだ」


「ってことはだ。俺たちは未知の大航海時代に突入してしまうってことか!?」


「俺の筋肉がユリ男子に犯されるのか〜!ひええええ」


「というわけで男子2人はユリ男子になってもらって他4人が熱々のカップルになるというわけだ」



寮で出て教室へと向かったきょうすけは教室に仕掛けをしに行った。俺の役割は残りのジョーカーズのメンバーを集めることだ。男子は女子寮には入れない決まりなので、正面から堂々と入る。何も考えずに突入してはバレるので、カツラをつけて声も裏声てさやとりかの部屋へと向かう。


「こんばんは〜さやさんいますかー」


「はーい、今開けまーす」


さやはドアを開けるとギョギョギョとした反応をする。


「あんたあきらくんだよね」


「いや、前々からあなたは変な人とは思ってたけど、これは頭湧いてるわね」


「いやーそれほどでも」


「まさかあなた今晩私にやらしいことをするために来たんじゃないわよね。そうよそうに決まってるわ。見くびってもらったら困るわよ、あなたのことなんて簡単に分かるんだからね!」


「馬鹿声でかいって」


「声でかいって何よ!夜に堂々と女子寮に忍び込もうとした時点であなたただの変態じゃない!そんなことやってて何が楽しいのよ!楽しいなら笑いなさいよ!

あーはっはっは」


「あれまー、さやも壊れちゃったねぇ。俺がここに来たのはさやに肝試しに参加してもらいたくて来たんだ」


「肝試し?」







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る