第6話 友達


「りかさん、俺負けちゃいましたが、あなたへの想いは本物です!だからこの俺ジンと付き合ってください!」


「あのね!私はこの人と付き合ってるんです。だから無理です」


ジンのやつも懲りないなぁと思わせる。そろそろ俺もヘルプした方がいいだろう。


「はぁ〜全くジンくんは懲りないねぇ。なら俺たちがラブラブなところを証明すればいいんだな」


「あきらくん?それはどういうことで…んん」


唇を重ねる。りかさんとキスをしているのだ。

その一瞬の行為がとても長く感じられた。

柔らかかった。


「なんということだ〜チクショー!!!お前ら爆発しろー!!!」


ジンはその場から逃げ出した。


「うんうん、これで全部解決だ、、、ぐぁ」


殴られた。誰にってそれはりかさんに。


「何てことするんですか!もぅ、、私初めてだったのにとんでもないことしてくれますね!最低です。二度と近寄らないでください」


りかさんは怒って屋上から出て行った。

さすがにやり過ぎだったことに気づき唖然とする。

俺は何ということをしてしまったんだろうか、あんな柔らかな唇を奪ってしまったのだ。ヤベェ興奮する…。

じゃなくて後で詫びないとまずいよな…。




夕飯の時間はまさとと喋っていた。

学食にはりかさんも来ていたがさすがに昼のこともあって話しかけにくい…。

だが俺はそんなことを気にせず、直でりかさんのところへ行く。


「何ですか?私はあなたに用なんてないんですけど」


冷たい返事だ。だがそれも俺は分かった上で話をつけてやる。


「りかよー俺たちは寝食をともにし、肌と肌を重ねあった中ではないか!

そんな冷たいことを言わずこれからも仲良くしようではないか!」


「ちょっと!あきらくん声がでかいです!ていうかそんなふざけたこと言わないでください!ま、まぁ助けてくれたことには感謝してるのですが、ですがこれは…」


「僕と友達になってください!」


「え?友達!?」


こんな気まずい中導かれた一言が友達である。やはりいきなりあったばかりの子と恋人関係になるのはやっぱり違う気がした。


「私…友達なら、いいかな」


「俺とりかはフレンズだぜ〜ヤッホーイ」


あ、ついでにそこで寂しそうに飯を食ってるジンくんにも声をかけてみる。


「お前、俺とやらないか?」


「ぐは…はぁてめえいきなり何言いやがる!?」


「友達だよ。お前も拳と拳恋人を奪い合った仲だ。お前も今日から俺の友達。

それでいいだろ」


「全く、いきなり何言い出すかと思えばダチか、、、。フン悪くねぇ。

まぁどうしてもというならいいが」


「おーいまさと!風呂入りに行こうぜ〜」


「人の話をきけー!」






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