第1楽章
第1楽章
「僕」「銀の天使」「金の天使」
僕 ねえ
もうこれは
ひっそりと話すことはないよね
だって
そんな理由はないもの
ねえ
だから
僕はきちんと君に話すよ
だから、ちゃんと聞いていて
僕の前に現れた天使はこう言ったんだ
銀の天使 「地上に一緒に降りてください」
でも、ぼくは嫌だった
本当は嫌だった
だって
地上に降りると嫌なことがいっぱいあることが
わかっていたから
どうして分かったのかは分からないけど
分かったんだ
だって
僕のいるこの草原は
とても心地が良くて
肌に当たる風はとても優しかったから
痛みもなくて
心も平安で
とても落ち着いていたから
だから
ここから離れたくなかったんだ
でも
天使はこう言ったんだ
銀の天使 「現実からは逃れられません。私を地上に降ろして、
そして、あなたも、あなたのいるべき場所に戻らなければ
ならないのですから」
天使の言っている意味が僕には分からなかった
でも、
地上に降りなくちゃいけない
そんな気がした
でも、その時
僕の目の前に、
もう一体の天使が現れたんだ
そして
暖かな微笑を浮かべて
僕にこう言った
金の天使 「地上に降りることはありません。
あなたはこの草原に守られて、私とともに暮らし続けるのですから」
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