夏休み
ジョセフィーヌ
夏休み
夏休みは生活が不規則になりやすい。昼に寝て夜起きる。いけないとはわかっていてもどうしてもやってしまう。こんな生活になってすぐ、にきびが一つおでこにできた。赤いにきびがおでこにひとつ、それだけでこころがかすむ。ああ、自分の生活がくやまれる。にくい。いっそ潰してしまおうか。跡が残るのはいやだけど今あるのもいや。でもまあ夏休み中誰かに会うわけじゃないしいいか。
遅くまで起きてなにか特別なことをしているわけじゃない。何もしていない。面白くもないテレビを流し代り映えのないゲームをやる。夏休みじゃないとできない。親が起きてくるころに寝る。ああ、背徳的。テレビショッピングは同じ商品を紹介し続ける。
炊飯ジャーが動き出す。ああ、もう朝が来るのか。重くため息をつくがこころのどこかで安堵もしている。ようやく寝られる。自分の暗黙のルールに従っている。別に早く寝たってかまわないのに変なプライドがたたき起こす。
夜と朝の間。ゆっくりとやさしく夜が帰る。静まり返って私はひとり。まぶたがおもくあたたかく。
夏休み ジョセフィーヌ @zyosesan
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