第五話
ある町には、何千年とその土地を見守り続けていた木があった。それは、冬桜。冬に咲く季節外れのその桜は、あるとき一度枯れてしまった。しかし、桜は自分の根元に一本の新たな冬桜の木を残した。その新たな冬桜はすくすくと成長した。しかし、その新たな冬桜は何十年たった今でもたった一度もその花を咲かせていない……
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