〈 終章 〉

< 終章 >

僕は死んだような日々を過ごしていた。

美羽は死んだのに僕は幸せになっていいのかと。

いや、幸せになってはいけないと思っていた。

そんなある日、美羽の祖母から手紙が届いた。

僕は中を開いた。

美羽からだった。


死んじゃってごめんね。

君のことだから僕のせいで、とか思ってるでしょ。

君のせいじゃない、君を突き放したのは私なのよ。

好きって言ってくれて嬉しかった、たくさんの喜びと幸せをくれて嬉しかった。

たくさんの感謝を伝えたかったけど伝え切れないや。

私がいなくても他の子好きになって、幸せになって。

私は十分幸せだったから、君は私の分までもっと幸せになってね。

ずっと大好きです。

美羽より


僕は泣いた、また泣いた。

心のしこりがなくなっていく感じがした。

僕はまた歩き出すことができそうだ、美羽のおかげで───。 完

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

~僕の初恋~ 夏目 星 @natume_syo

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ