淡い座標

@minato_hotaru

第1話

放物線の中に僕等がいる

足並みを揃えて歩いてゆける

君と僕はまだ赤と黒でしか

違いの分からない子供だった


せーので投げたランドセルを背負い

僕と君が入れ替わったとしても


宿題をやらなければならずに

鉛筆の芯が丸くなるほど

答えは鋭くなっていくものだ


君の荷物は何故か重たくて

良い匂いがするのは女の子だから

たくさんの秘密が隠されている


またねで別れた夕暮れの基準

ランドセルの赤を黒に戻し

軽くなった背中を伸ばしたまま

机に向かって問題を解く


放物線の中に点がある

いつか君よりも前を歩いて

見失ってしまいそうな道程に

花びらを落とすまで待っていて

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