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ラミカが私に準備したのは派手目な赤いドレスだった。
私はその上からアンバー色のロングコートを羽織り、下のドレスをまるごと隠す。
ついでに素顔も隠せるよう、あえてコートのフードも目深にかぶっておくことにした。
一方、ゾイアスの方は魔族であること自体がバレないように、顔面を必要以上に包帯でぐるぐる巻きにしてやった。
一見怪しそうにみえるゾイアスの姿ではあったが、このカジノ、「スカーレット・ラグーン」のドレスコードが『つまらぬ日常を忘れて甘美な夜を心から楽しめる衣装』と定められている為、実はこの会場内にはすでに怪しい衣装に身を包んだ人物がゴロゴロ存在している。
…まぁもちろんポーカーなどという、互いの表情や雰囲気で駆け引きを行うようなゲームへの参加は断られてしまうかもしれないが…。
こちらとしてはドレスコードを逆手にとって、より無難な方法で潜入できるので、何ともありがたい話である。
「では私達も
今宵の甘美な夜を楽しみましょ。」
こうして私とゾイアスはパンっと勢いよくハイタッチを交わすと、ひとまずこの場で互いの行き先を分かつ事にした。
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