第14話 真実
あなた
こんなにも
高く澄み渡った空からさす
秋の金色の陽射しに
私の落っことしてしまった心は
ある瞬間
鮮明に真実を暴かれて
私は息を飲んだわ
枯葉をかさかさ踏む音は
心が壊れた音に似てる
手のひらに乗せたら
粉々に砕けた
嘘というガラスで出来上がった教会
鐘の音でひびが入る
でもね、、
そのガラスで指を切って
赤い血の生暖かさを感じた時
無性にあなたが欲しくなって
あなたの頬の辺りの優しさを
想い出したの
落としてしまった心は
二度と拾えない
風に鳴る樹々の
ざわざわとした音が
あるメロディーに聴こえたら
つかの間
口づさむことができるかしら
カラカラと枯葉が風に舞えば
土の中から新芽が顔を出して
春の息吹を想い出して
どうか無事に育つようにと
願う自分がいて
あなたと同じ重さの心
ひとつに思える心
新たな心が
失くした部分を埋めてくれるまで
風に吹かれていよう
たとえ一部分であっても
あなたは私の魂をわかっているから
あなたに逢う日を待つことができるわ
鮮やかな紅葉が山を染めた日
全てのものは
ただ死に向かうのではないことを
魂が輝く瞬間のあることを
ふたりは知っているから
ぬくもりを感じ合う日まで
時を塗りつぶすのではなく
風の中に身を置くのよ
いつか風が
偽りで出来上がった霧を吹き飛ばして
真実を暴いてくれるでしょう
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます