Epi2.新しい体。

「久しぶりやな。西蓮寺。」

「山口か。元気にしてたか?」

「あぁ。会えて嬉しいぜ。」科学者となった山口靖浩は風の噂で第二の姿を作ってくれるという話をきいた。

「単刀直入に言う。人の皮が開発されていると聞いたのだが。」

「なら話は早いか。お前にプレゼントしよう。親友であるお前が殺されるわけにはいかない。早速カスタマイズしてくれ。」

「本当に無料で良いのか?俺の為に。」

「ああ。藤堂は科学者を従えてその力で全国を牛耳っている。俺は自分の研究がしたかったから地下で隠れて研究している。変えてくれ!お前の力で。この国の科学者の自由を再び取り戻してくれ。」


藤堂はそれほどの権力を持っているのか。その様子だとあいつらも何か装備はあるはずだ。一筋縄ではいかないか。これからどのくらいの月日をかけて、藤堂に王手をかけられるのか。

「また店で鳥を扱える日まで俺は生きてやる。山口、俺にあった皮を用意してくれ。」


「分かったぜ。今作成する。好みの女はいるか?」

「この女の子を少し変えたような妹のようなものを作ってくれ。声は変えられるのか?」

「あぁ。この皮を被っている時は女の子の声になる。安心して女性になりきるが良い。」


山口は瞬発的にコンピュータで入力した。

「よしこれで一時間くらい待てば完了する。お前の顔を一度この機械で撮影させてもらう。」

レントゲンみたいな大きな機械に顔を入れて撮影した。


「頭部は目を除いて、作成される。ちょうどこの目を配慮して希望の人間の顔に近づける。」


ウイイーン……凄い機械音だ。こうやって新しい身体は作られるのか。

「このうるさい中呑気にコーヒーなんて飲めないかも知らんが。まぁ、飲めや。」

「恩に着る。山口、絶対にまた戻ってきてやる。」2人は固い握手を交わした。

「気をつけろよ。お前以外にも頼みの綱はある。だが、一番信用がおけるのはお前だ。」

「分かったぜ。ありがとな。隠れ蓑を作ってくれて。」

「連中はすぐに動きで見破るかもしれんが、姿が見えない限り確証は掴めないはずだ。それから武器を用意した。藤堂は特殊な兵器を持っているようだ。それに対抗する装甲をな。」

「何から何までありがとう。」


「こちらが、そのアイテムだ。 」

いわゆる特撮のベルトのようなものだ。ニワトリの顔のような意匠であり、トサカの部分を回して装甲を身に纏うらしい。

「試してみるか?その力。」

「試せるのか?この装甲を。」


「勿論さ。ここでは何だから、戦闘用のスペースに行こう。」

「分かった。」


地下スペースを暫く進むと道場のようなスペースに着いた。

「さぁ、勝負を始めようか!俺も本気で行くさ。」山口はそう言うとカラフルなアイテムを腕に着けた。

「やれるかどうか分からないが、取り敢えず俺はこの力を信じるぜ!」

ダイヤルを1に合わせる。

『Eins!Chicken Birmer!Ready!』

「飛翔!」

『Go!』

身体はニワトリの装甲を身に纏っていた。かっこいいと言えばかっこいいが、そのままのニワトリである。


『Sechzehn!Peacock Birmer!Ready』

「小手調べだ。召喚‼︎」

『Go!』

山口が身に纏った鎧は孔雀の装甲であった。あれは見る限り強い。初手から殺しにかかって来るのか。





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KO-鶏王- 最強の女店主(仮) 恋住花乃 @Unusually_novel

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