カオティック・ノヴァ

サムライドラゴン

第1話 「死と影」

 グォォォォォーン!!!

 ダァァァァァーン!!!

 ダダダダダダダダ!!!


 あちこちで銃声や爆発音などが響き渡っている。

 それはそうさ、戦争中なのだから。


「クソォ、弾切れだ!」

「ほい弾だ。」


 2人組の成人男性が地面にできた穴に入って、お互いの背を守りながら目に入った敵たちを次々に射殺している。 お互い顔は一切見ず、只々敵を撃つことに集中していた。


「敵の数、減るどころか増えているぞ!!?」

「どうやら、俺たちは騙されたようだな。」


 2人は少数の敵部隊の相手を任されていたが、どうやら敵をおびき寄せるための「囮」にされていたらしく、周りには既に数十体の敵兵で囲まれていたのだった。


「やれやれ、あのクソ上官め・・・。」

「アイツ、俺らのこと嫌ってたもんな。」


 絶望的状況の中、2人はヘラヘラと笑っており、敵兵たちは様子がおかしい2人を警戒している。


「どうやら潮時だな。」

「そのようだな。」


 会話はしなくとも、2人のやろうとしていることは同じだった。

 銃を捨て、上着を脱ぎだすと2人の体には大量の爆弾が巻きつけられていた。


「んじゃ、最後の仕上げと行きますか。」

「ああ、派手にやろうな。」


 そういうと2人はそれぞれ反対方向にいる敵兵たちに向かって走り、不気味な笑みを浮かべていた。

 その光景に敵兵たちは怖気づき、必死になって逃げようとしたが時すでに遅し。

2人は手榴弾のピンを抜き、思い切り地面に向かってぶつけ、次の瞬間大型の爆発が発生したのだった。

 爆発で顔が見えなくなる直前でも、2人の表情は変わっていなかった・・・。



____________________



「もっきょ!!」


 コイツの名前は"もっきょ"。


「もっきょ!」


 "もっきょ"は"もっきょ"だ。 それ以上でも以下でもない。


「もっきょっきょ!!」


 "もっきょ"は"もっきょ"を信じ、"もっきょ"のために生きている。


「もっきょー!!」


 "もっきょ"は旅に出たがっている。


「もっきょっきょー!!」


 "もっきょ"は旅に出たようだ。


「もっきょー!!!」




次回に続く・・・。

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