◯蘇る、あの夢。

その日の夜、またあの夢を見た。俺の住んでいる街が黒いモヤモヤによって飲み込まれていた。そして、あのモヤモヤは人間から出ていると発覚した。所々で出たモヤモヤはやがて1つに集結し、街を飲み込んでいくのだ。隣の街も隣の村も全てを飲み込み全世界にまで広がっている。

そして、俺の方にそのモヤモヤが来て目の前が真っ暗になった。そして、不協なノイズが、ざわざわざわざわ鳴り響く。気分が悪い、早く覚めろ!この夢!そう思った次の瞬間、数メートル先でピカッと何かが光った。またすぐして、ピカピカッと光り、やがてずっと光るようになった。

''逃さねぇ''ゆっくり近づき、手を伸ばした。すると次の瞬間、ふわっと一瞬、ほんの一瞬、美しい景色が目に飛び込んで来た。結構高く位置している大きな公園みたいで、雲ひとつない大空、向かいの山までくっきり見えて、子供たちが楽しそうに遊んでいる。ああ、美しい。

ーと思えばすぐ居心地の悪い世界に戻った。そして、目が覚めた。

朝6時40分。当たり前の毎日が始まる。いつもはだるくて、重くて動きたくないけど、今日は違う。体が軽くて、和やかで、コンディションはとても良い。あったかい雰囲気で、心がタオルにでも包まれているかのように、その、なんていうんだろ、気持ちが良いような、そんな目覚めだった。


それから、準備をして、学校へ行った。

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