第4話///ありえ……ない
「て、敵襲ぅぅぅ!」
牧歌的な田舎道で両手首を眺める視線から始まる幻視は、突然に
「はい?」
顔を上げれば、僕は二列に並ばされた最前列に繋がれており、
「手前ぇぇぇら! 俺らとやんのかぁぁ!」
相手の一人が吠えると一斉の野次。武装は貧相だが数が多い……だけど、僕たちを牽引する軽装の鎧で身を固めた馬上の正規兵は、大いに青ざめていた。ここで形容する軽装というのは……って説明するのは割愛するけれど。
「おるぅぅぅぅあぁぁ!」
敵の前衛が、迫ってきた。敵の
「おいおいおいおい……」
「手前ぇ!こっの……」
身体が勝手に反応する。何故かわからないが、運動が不得手な僕が逆立ちをして敵の
「んの野ろ……グワッ」
近くの敵は死なない程度に痛めつけ、迫る矢はなぎ払う。ゲームで言ったらチート状態の戦闘が五分も続くと相手は敵の大将と何かこの場所にいるには違和感のある美少女だけが残った。
「お、お前……この女が誰どうなっても…… ッ!」
喉もとに貧相な
「……知らない」
歩み寄る……いや、静かに迫る僕に敵の大将は人質を突き放すように放り出し、両手で剣を振り上げた。
「ンガッ……」
考えるより早く身体が動く。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます