第5話 「8233」

それから学校で話すことが、この2日間で劇的に増えた。

この間公園で見かけた犬が可愛かったこととか、奮発して買ったチョコレートがすごく美味しかったこととか。

そんな話ばかりだったけど、案外楽しかったし、何より約束の日が待ち遠しかった。


「そういえば、通ってた中学校なんだけどさ、来年で廃校になるって知ってた?」


初耳だった。


「そうだったんだ。悲しくなるね」

「日曜日さ、そこ行かない?」

「あー、まぁいいよ。そうしよ」


正直に言うと、そこまで悲しくはなかったし、行きたくもなかった。

それでも他に行くところとなると退屈になりそうな場所ばかり浮かんでしまって。


結局、日曜日は母校を訪問することになった。

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