第4話 「放課後」

放課後、白い花は10分も前に待ち合わせ場所で陽を浴びていたらしく、喫茶店で暑い暑いと連呼していた。


「そういえば久しぶりだよね。2人で話すの」

「そういえばそうだったね」

「話って何?」


ここへは話があるといって呼び出した。

表向きには、夏休みに出掛ける日にちの調整だ。


「来週の金曜日に何処か行かない?」

「あ〜ごめんね。その日バイト入ってる。日曜日は?」


僕はアイスコーヒーを飲み干して、ペーパーナプキンでゆっくりと口元を拭きとった後、


「わかった。じゃあ来週日曜日の15時、いつもの公園ね」


そういって別れた。

幼稚な僕には、コーヒーの後味以上の苦いナニカが口の中で反響していた。

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