第18話『インターバル』

「魔法使いって普通、トンガリ帽に裾引きずるくらい長いネグリジェな奴でしょ?マントはともかくタキシードにシルクハットって、マジシャンとかじゃない?あと怪盗――あ、゛魔法少女゛は別だから」

「ネグリジェってね…それじゃ締まらないからここに落ち着いたんだろ、あとこれは正式な礼装じゃなくて、単にそれっぽいデザインなだけ、

 ――にしてもコスチュームコンセプトが前回と同じって、イメージ悪くないか」

「そっちがジャンケンに負けたんじゃない。

 それに魔法少女って女の子の憧れよ、実際魔法みたいな力を使うんだし、着るしかないでしょ」

「…前回は赤っぽい奴だっけ」

「あれ、あの娘の趣味じゃないと思う。本当は別のだったらしいし―…テンション下がるわよね、女子的には重大だもん」

「けっこう彼女のこと気にするよね」

「そりゃ、あの娘の汚名をあたし達が挽回する羽目になってるんだし、気にするわ」

「…あれ、頭にそんな小枝かざりつけてた?」

「ああこれ、あいつに貰ったの。ロウバイって木の花なんだって」

「さっきからいい香りしてたのこれか、気に入ったんだ」

「…ま、そうね」

「準備、整ったみたいだ――不安は?」

「ないわ、そっちこそ」

「悲観してもしょうがない、俺たち、やれることは全てやって来たんだから」

「そうね。必ず成功して見せる――」

「当然。さあ、行こう!」



 

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