自首してきた犯人?

 11月15日

 警視庁捜査一課

 浜松たちは警視庁の一室で考えていた

 下田「なぜ駿河ちゃんはかわいいのに彼氏がいないのか?」

 三島「ほぼ確実に余計なお世話っすよ下田さん、むしろ自分の心配してくださいっす」

 浜松「下田は第2係の松本と付き合ってるから自分の心配は必要ないんだよな~これが!」

 伊豆「え!?そのネタ引っ張るんですか?浜松のダンナ!きちんと事件のことについて考えましょうぜ!」

 下田「伊豆が…伊豆が突っ込んだ!」

 三島「……ハイジネタっすか❗『クララがたった❗』っすか!いろいろいじりすぎて単なる驚きかと思ったっすよ!」

 駿河不在の捜査一課の11班は引率の先生がいない小学生の遠足と同じようにまとまりと言うものがなかった。そんな11班に電話のコール音が鳴り響いた!

 浜松「もしもし、こちら警視庁捜査いっちゃ捜査11がかりゅの浜松でしゅ」

 下田「噛んだわね」

 伊豆「噛みまくってるな」

 駿河「難しい言葉を使おうとして噛んだのです」

念のために補足しておくが、浜松のいった台詞は特に難しくはない

 三島「あれ?駿河さんいつからここにいたっすか?」

 駿河「浜松班長が『11がかりゅ』っていったところから」

 三島「それってついさっきじゃないっすか❗ここは『それってほぼ最初からじゃないっすか❗』が定番のはずなのに…」

 浜松「はい、はい、はいはい、じゃああとはこっちで、はい、しくよろです」

 浜松は電話をきってみんなに情報を伝えた

 浜松「どうやら渋谷氏の事件、犯人が出頭してきたらしい」

 下田「わかった、私が尋問するわ!」

 伊豆「俺も行く…」

 駿河「唯警部補、供述調書はお任せください」

 三島「一応俺もついていっていいっすか?いいっすよね」

 浜松「みんな行くのか…じゃあ俺も…」

 下田&伊豆&駿河&三島「どうぞどうぞ!」

 浜松「俺たちはダチョウ倶楽部かよっ!」

 浜松が足踏みをすると他のみんなは一斉にジャンプした

 浜松「…クルリンパ!よしいくぞ!」

 下田&伊豆&駿河&三島「はい!」

 そんなやり取りをしながら十一係は取調室に向かった。それを見た捜査一課の刑事は後にこう語ったと言う

 松本『俺もあんな楽しそうな職場で働きたかった…』

 警視庁取調室

 警視庁に出頭してきたのは石上三成容疑者、元外交官だった、殺した動機は渋谷氏の強引なインフラ交渉のせいで相手国との関係が悪くなり、その責任を取らされたことによる復讐だと言う。

 下田「動機はわかりました。では、殺人事件が起こった当日のことを話していただけますか?」

 石上「はい…あの日の夕方のことでした。インフラ整備交渉のトラブルのことが納得いかなくて渋谷さんに直談判しにいったんです!『中東開発側にも問題があった』そう認めさせることが出来れば自分のリストラもどうにか無かったことに出来ると思ったからです。 でもあいつは『交渉はお前がうまく段取りをつけられなかったからうまくいかなかったんだ!そのお陰でうちの会社はヨルダンから目をつけられて仕事ができなくなったんだ!』と逆に責められて…気がついた時には渋谷さんはあんなことになっていました…申し訳ございませんでした!」

 下田&伊豆&駿河&三島&浜松(ん?なんか違和感を感じる…もう少し証言を掘り下げてみるか)

 アイコンタクトでさらに追求することにした浜松たちは犯人に質問をして詳しい状況を聞いていった

 三島「石上さんが訪ねたとき何か普段と違うところはあったっすか?」

 石上「そもそも渋谷さんのお宅には犯行時を含めても二回しかいったことがないので…分かりません」

 下田「犯行に使用したロープはどこで手に入れたものですか?」

 石上「百円ショップで買ったと思います」

 ザイルなんて特殊なロープは絶対に100円ショップには売ってない、浜松たちは石上がなにか隠しているのだと確信した。

 伊豆「買ったのはいつ頃だ?」

 石上「渋谷さんの家に向かう前です」

 駿河「レシートなど何か買ったことを証明できるものはありますか?財布の中にレシートがたくさん入っていましたがその中にはそんなものを買った記録はありませんでしたよ?」

 石上「犯行に使うものの証拠なんて残すはずがないじゃないですか!」

 浜松「あれれ~おかしいぞ~🎵石上さんは最初の証言を聞く限り、衝動的犯行だったはずだよ~でも~渋谷さんの家に行く前にロープを買ったなら~それは計画的犯行だよね~何でそんなことが起こるんだろ~?」

 駿河「浜松警部補、そんなすっとぼけたコナンみたいな声を出すのやめてください。気色悪いです」

 石上「……黙秘します」

 駿河「では、犯行を行ったあと、あなたはどうしましたか?」

 石上「指紋を拭き取ってばれないように気を付けながら逃げました」

 浜松「逃げるときに誰かに目撃されたりとかしませんでしたか?」

 石上「そこには細心の注意をしていましたから」

 ボディーガードは出入りのチェックならするはずだし、石上が言っていることが本当なら自殺に見せる偽装工作を全く行っていないことになる。彼の証言には違和感が多すぎた…

 浜松たちは一回松本たち(第二係)を監視役に残して話し合いを始めた。

 下田「出頭してきたにしてはおかしくない?証言も曖昧だし、凶器の入手方法については時空飛び越えちゃってるし…犯人かばうならかばうでさーもうちょいまともな証言は出来ないのかな~」

 浜松「下田ちゃん、突っ込みどころがちゃいます」

 駿河「ほぼ間違いなく石上さんが犯人ではないですよね…誰をかばってるんでしょうか?」

 三島「彼女とか?」

 伊豆「いや、渋谷氏は体重が0.098㌧もある肥満だ、女性には持ち上げられないだろう」

 浜松「二つ突っ込んでもいいか?…なぜ被害者の体重をトンで表す❗キロでいいだろ❗9.8㎏で!あれ?」

 三島「98㎏っすよ係長」

 浜松「…あともうひとつ!女性でも持ち上げられない保証はない!多分駿河ならできる」

 駿河「自分で言うのもなんですが、たぶんできますね、三島なら確実に持ち上がります片手で」

 松本「俺たちだって暇じゃねえんだぞ!雑談してるならとっとと取調室に戻りやがれ!」

 浜松たちはしぶしぶ取調室に戻っていった…


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