蒼き剣豪の魔法銃《シルバークイーン》

第1話 ひかりの始まり……

　それはただの偶然だった……。

　赤く染まった町。

　視界を埋め尽くす黒い物体の数々。

　焼き焦げた匂いと遠くから聞こえる町の人達の悲鳴。

　あぁ……。俺はここで死ぬんだ……。

　そう思った。

「や、やめろおおおおおおおおおおおおおおっ！！！！」

　一人また一人と友達や近所の人といった身近な人達が次々と目の前の赤い化け物に殺されていく。

　一人は鎌のような腕に切り刻まれて、一人は口から吐き出された炎に飲まれて、一人は圧倒的な物量に踏み潰され――――――

　大切な人達が殺されていく中――――俺はその光景を眺めている事しか出来なかった。

　徐々に生きていく気力を失っていった俺はただ死が訪れるのを待ち続けた。

　そんな時だった。

『…………みつけた……』

　…………え……？

　目を開けると、”それ”はそこにあった。

　手を伸ばせば届きそうなところで何かが光っている。

　その光は暗闇に沈む私の周りを淡い光を放ちながら漂い……そして、ゆっくりと私の中へと入っていった……。

『ようやく……みつけた……』

　薄れていく意識の中で……頭に奇妙な声が聞こえた。

『これでようやく……おわりがはじまる……』

　あの時は自分に何が起こったのか分からなかった。

　けれど、何かが変わる――――そんな気がした。

「……いん……すとーる……」

　自然とそう”私”が口にすると、光が世界を包み込んだ。