逃げることから、逃げた。

帰宅すると、そのままゲーム機器を立ち上げ『ザ・グレート・ファンタジア』のプレイ開始。

 こんなにROMの読み込みに時間がかかる立ち上げはなかった。


 ログインし<ジークフリート>を走らせる右下のレーダー画面で<黒の拳ブラックフィスト>を探す。

 いつも勝手気ままにワールドを彷徨っているので、こんなにレーダー画面を必死に操作したことはない。

 居た!。

 遠藤が僕をバイパスをくぐる遊歩道で待ち受けていたように、僕は<ジークフリート>で待ち受けた。

 僕は、ワールド19で<黒の拳ブラックフィスト>を発見した。<黒の拳ブラックフィスト>は、よくある経験値を上げるやり方で居眠りしていた。

 ワールドからログアウトせずにキャラを居眠りの状態で、ずーっとログインさせておくのだ。

 <黒の拳ブラックフィスト>は、ワールド19の猫背丘ねこぜおかの洞窟の中で膝を抱えて眠っていた。<ジークフリート>は<黒の拳ブラックフィスト>に忍び寄った。

 

 僕は、<黒の拳ブラックフィスト>の右手首を見て唖然となった。

 怪我がひどくなっている。

 ポリゴンできた、腕だが右腕の手首の怪我が、前回のコンボ技ダンヅストアで攻撃した時より、ひどくなりポリゴンで出来た血をだらだら出血している。

 そして、<黒の拳ブラックフィスト>のいや、遠藤のHPは著しく下がっていた。

 ついでに<ジークフリート>のHPも下がっていた。これ、蹴られたせい?。


 僕は、カーテンを締めた、薄暗いマンションの一室で、にやっと笑った。

 母は買い物か、何かの用事で、マンションには、居なかった。

「殺してやる、少なくとも、この世界から、消してやる」

 そう、僕は、小さく呟いた。 


 僕は、その夜、深夜だが、もう一度『ザ・グレート・ファンタジア』をプレイした。

 もう<ジークフリート>でなく、僕自身がファンタジアの大地を駆けていた。

 どこから、探り出したのか<軍猫ぐんびょう>が隣で、並走していた。

 <軍猫ぐんびょう>は、相変わらず、話しかけてくる、吹き出しマークがうざい。

[昼になにかあった?]

 少し、どきっとしたが、この<軍猫ぐんびょう>が知っているわけがない。

 無視して走る、僕。

[<黒の拳ブラック・フィスト>いないね]

[きみ、夜だけ、強いね]

 感だけど、わかる、<軍猫ぐんびょう>は、多分プレイヤーは、女性だ。

 前にも書いたが、男性が女性キャラ、アバターを扱う場合、十中八九巨乳にする。それも、無駄に爆乳レベルで。それに猫は女性が一番好きな定番モフモフ。

 <軍猫ぐんびょう>は、ぜんぜん違う、いわゆる、モデル体型。よく、英語で言う、ひらひらのファンシーなスタイル。

[えーそれでは、ログアウト]

[じゃあね]

 と<軍猫ぐんびょう> 。

 ログアウトするらしい。この時間でログアウトするってことは、ちゃんと昼働く、正業か、学校に通っている学生、それも大学や専門学校でない高校までの学校。

『えーそれでは』ってフレーズどっかで、聞いたことある、、、えっ。

 <軍猫ぐんびょう>は、かき消えた。

 僕は、テクスチャーを張り付けられた、ポリゴンの世界ワールド19に残された。

 しかし、そのあと、<軍猫ぐんびょう>が残した、形跡を嗅ぎつけた、各色のミーン・スムーミーに襲われて大変だったが。

 

 その夜、僕は寝むる前に、青い世界の中に白々と明けかかった淡い朝陽を天井に見ながら色々考えた。遠藤と南條が、腹を蹴ったのは、意味がある。 派手な殴った跡の傷を顔に残して、問題にしないためだ。

 これから、ずーっといたぶるぞ、という意思表示だ。

 そんなこと、されて、たまるか!。教師に言いつけるのが、一番早道だが。僕は、そんなに善良でない、両親を心療内科に通わせるほどの、親不孝者だ。

 手段は一切問わない、たとえ非合法な方法でも、この僕が、苦しんでいる何倍もの苦しみを遠藤と南條、とりわけ、遠藤に与えてやる。

 <軍猫ぐんびょう>の正体も、分かっった。

 問題は、どうするかだ。


 僕は、その夜、深夜だが、もう一度『ザ・グレート・ファンタジア』をプレイした。

 もう、<ジークフリート>でなく、僕自身が、ファンタジアの大地を駆けていた。

 どこから、探り出したのか、<軍猫ぐんびょう>が隣で、並走していた。

 <軍猫ぐんびょう>は相変わらず話しかけてくる、吹き出しマークがうざい。

[昼になにかあった?]

 少し、どきっとしたが、この<軍猫ぐんびょう>が知っているわけがない。

 無視して走る、僕。

[<黒のブラック・フィスト>いないね]

[夜だけ、強いね]

 感だけど、わかる、<軍猫ぐんびょう>は、多分プレイヤーは、女性だ。

 前にも書いたが、男性が女性キャラ、アバターを扱う場合、十中八九巨乳にする。それも、無駄に、爆乳レベルで。それに、猫は女性の好きなアイテム

 <軍猫ぐんびょう>は、ぜんぜん違う、いわゆる、モデル体型。よく、英語で言う、ひらひらのファンシーなスタイル。

[えーそれでは、ログアウト]

[じゃあね]

 と<軍猫ぐんびょう> 。

 ログアウトするらしい。この時間でログアウトするってことは、昼働く、正業か、学校に通っている、学生それも、大学や、専門学校でない高校までの。

『えーそれでは、って』

 どっかで、聞いたことある、、、えっ。

 <軍猫ぐんびょう>は、かき消えた。

 僕は、テクスチャーを張り付けられた、ポリゴンの世界ワールド19に残された。

 しかし、そのあと、<軍猫ぐんびょう>が残した形跡あとを嗅ぎつけた、各色のミーン・スムーミーに襲われて、大変だったが。

 

 その夜、僕は、寝むる前に、白々と明けかかった淡い朝陽を天井に見ながら、色々考えた。遠藤と南條が、腹を蹴ったのは、意味がある。 派手な殴った跡の傷を残して、問題にしないためだ。

 これから、ずーっといたぶるぞ、という意思表示だ。

 そんなこと、されて、たまるか!。教師に言いつけるのが、一番早道だが。僕は、そんなに善良でない、両親を心療内科に通わせるほどの、親不孝者だ。

 もっと、直接的に報復する方法を考えないといけない。

 手段は一切問わない、たとえ非合法な方法でも、この僕が、苦しんでいる何倍もの苦しみを遠藤と南條、とりわけ、遠藤に与えてやる。

 <軍猫ぐんびょう>の正体も、分かっった。

 問題は、どうするかだ。

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