第10話 佐藤さくらの秘密
「天使の輪っかに純白い羽! ホワイトファンタジー! 美歌恵流!」
元々大天使の美歌恵流は佐藤のカンペに抵抗なくスラスラと恥ずかしいセリフとダンスと決めポーズができる。
「漆黒のボディに黒龍の翼! ブラックファンタジー! 刃覇夢徒!」
元々最強の竜の刃覇夢徒はシャイなので抵抗があるが、地球の平和を守るために覚悟を決めた。
「可愛い猫耳に矢印尻尾! ダークファンタジー! 瑠詩富亜! わ~い! 決まった!」
元々大悪魔の瑠詩富亜は極悪な悪魔ではなく、可愛い子悪魔的な悪魔にしておいて良かった。
「牛やカバと呼ばないで! 牛乳もカレーも大好き! イエローファンタジー! 辺陽藻栖!」
元々最強の獣の辺陽藻栖は戦隊シリーズに1人はいる食べ物担当。
「普段は病弱! 水のある所では最強! 決して兵長と呼ばないで! ブルーファンタジー! 璃羽威亜紗!」
元々最強の生物の璃羽威亜紗は近くに水がある所では強かった。
「5人合わせて、異世界戦隊! ファンタジー!」
個人個人の紹介を終えて5人は決めポーズを決める。若干、刃覇夢徒だけは恥ずかしそうだった。
「異世界戦隊だと!? ふざけるな!?」
大地女神ガイアは異世界戦隊ファンタジーに呆れて怒る。
「異世界ファンタジーボンバー!」
聖なる光と竜の炎と闇の光と獣の突進力と海竜の竜巻を1つに合わせて放つ大技である。
「ギャア!?」
ガイアは異世界ファンタジーボンバーを食らって倒される。
「地球の平和は私たちが守る。」
背景でガイアが大爆発を起こす中、決めポーズを5人は決める。
「わ~い! 勝った! 勝った!」
「私たちはやればできる子よ!」
「・・・は、恥ずかしい。」
「帰りにチキン食べてく?」
「ゴホゴホ。水・・・水を下さい。」
異世界戦隊の隊員たちは喜んだ。
「喜ぶのはまだ早い! ひねりつぶしてくれるわ!」
その時、倒させたはずのガイアが巨大化して現れた。
「下からパンツ丸見えですけど。」
真下にいる隊員はベストポジションにいた。
「大地女神に歯向かったことを思い知らせてやる!」
巨大化した大地女神ガイアが異世界戦隊に襲い掛かる。
「ちょっと待った!」
その時、ちょっと待ったコールを言いながら、謎のロボットが現れる。
「なんだ!? カラスだ!? ヘリコプターだ!?」
ガイアは驚いた。
「超合金デラックス! 佐藤さくらロボ! 参上!」
空を飛んできたのはロボット化した佐藤さくらだった。
「佐藤さん!」
「佐藤!」
「佐藤先輩!」
「さくらちゃん!」
「佐藤さくら!」
異世界戦隊は目の前の超合金デラックス! 佐藤さくらロボの登場を頼もしく頼りにしている。
「くらえ! 佐藤さくらパンチ!」
佐藤さくらロボは地球の平和を守る必殺のパンチを繰り出す。
「ギャア!?」
大地女神ガイアはパンチを食らって、どこかへ吹きとばされた。
「地球の平和は私たちが守る! ワッハッハー!」
喋れる笑える、そして強い。今やちびっ子のアイドル、超人気の超合金デラックス! 佐藤さくらロボである。そして緞帳が降りてきて終わる。
「パチパチパチパチ!」
鳴り止まない拍手に包まれ幕を閉じる。
この物語は可愛い女子高生の部活動、渋谷塚歌劇団部が演じるお芝居の名作、異世界戦隊ファンタジーが地球の平和を守るという物語である。ちなみに普通の女子高生、佐藤さくらが新型ヒロイン、超合金デラックス、佐藤さくらロボに変身する方法は秘密である。
「いつになったら、私は出てくるんだ!?」
元々は最強の鳥ジズは可愛い女子高生の慈豆になったのだが、知名度と存在感の薄さから出番が中々やって来なかった。
愛美露出手のシェアハウス。
「オッホッホ! ついに冒頭の登場を飾ったわ!」
愛美露出手は笑いが止まらなかった。
「元々は異世界戦隊ファンタジーに倒され、佐藤さくらロボに倒される脇役で毎日涙を流す日々だったが・・・ついに私が主役になる時が来た!」
「おめでとうございます! 愛美露出手お姉さま!」
愛美露出手の家をシェアして住まわせてもらっている守護女神アテーナーの宛名と太陽女神天照大神の尼寺須、大母女神キュベレーの九兵衛、そして新加入の海と毒の女神ティアマトの手矢的も愛と美の女神アプロディーテーの愛美露出手の巻頭カラー的な扱いに喜んでいる。
「ありがとう! みんな!」
愛美露出手は女神4人からの祝福を素直に喜んでいる。
「愛美露出手お姉さまの出番が増えれば私たちの出番も増える!」
「愛美露出手お姉さまの機嫌が良くなれば世界は平和だ!」
「愛美露出手お姉さまのおごりで寿司が食える!」
「愛美露出手お姉さまにきれいな顔にメイクしてもらえる!」
女神4人の考えは私利私欲に満ち溢れていた。
「オッホッホ!」
ウケるかウケないかは知らないが愛美露出手が笑っていると世界は愛と美で包まれて平和だった。
地球防衛隊の本部。
「なにか大切なことを忘れているような・・・。」
そう、ハゲタヌ隊長は大切なことを忘れていた。それは地球防衛隊は地球の平和を守るための組織であるということだ。
「皆さん、あれが地球防衛隊の本部で飼われているタヌキと動物たちですよ。」
バスガイドのお姉さんがバスガイドのお客さんに言う。
「おお! タヌキが5匹で踊っている!」
「犬や猫もいるぞ! かわいい!」
ハゲタヌ隊長は子供たちの声援にお皿をいつもより多く回していた。タヌポンジャーとアニマルンジャーは合併して、ハゲタヌンジャーを結成した。ハゲタヌ隊長とタヌキ4匹と動物4匹を足した9匹グループである。
「楽しいね! 動物園!」
「そうね。帰りにタヌキのぬいぐるみも買いましょうね。」
「やった!」
バスツアーの親子連れが楽しそうにハゲタヌンジャーの戦隊ショーを見て、親子仲睦まじく楽しんでいる。
「いつから地球防衛隊の本部は動物園になったんだ・・・。」
鈴木隊員は普段通りハゲタヌ隊長に呆れている。
「私もトリンジャ-に皿回しを練習させておけば良かった!?」
最強の鳥ジズの慈豆は自分の計画性の無さを悔やんだ。
「そうだね・・・おい!? 皿回しなんかさせんでよろしい!」
鈴木隊員はノリッツコミも上手だった。
歌劇団部の女子高生が下宿している異物寮。
「なに!? この忘れられた感!? 私は主役よ!? 主役!?」
この物語の主人公・・・だったはずの佐藤さくらはクレームを言っている。
「佐藤さん、諦めなさい。」
「美歌恵流。」
「どうせ私たちなんか女神には敵わなかったのよ。天使なんてやってられないわよ!? ああ~天界にお祈りをして損したわ。」
大天使ミカエルは自分の不幸を呪う。
「佐藤、うるさい。」
「刃覇夢徒。」
「もう私たちの出番もないだろう。ドラゴンやめて、本当に女子高生ライフをエンジョイして、彼氏でも作ろうかな。」
最強の竜バハムートは女子高生生活を楽しんでいた。
「わ~い! 佐藤先輩! 焦ってる!」
「瑠詩富亜。」
「私たちは現実世界の渋谷に転移してきたけど、そろそろ異世界に帰る時が来たのかもしれません。寂しくなりますね。」
大悪魔ルシファーは異世界に帰る気満々だった。
「さくらちゃん、お腹が空いてない?」
「辺陽藻栖。」
「ぐ~う。お腹が空いたよね。私たちはもう第一から第三勢力に後退したんだから、どこかで豚まんでも食べて、これからの身の振り方を考えよう。」
最強の獣ベヒモスは食べ物のことしか考えていなかった。
「佐藤さくらさん、歌はできたの。」
「璃羽威亜紗。」
「他人と自分を比べてはダメよ。私たちは自分のやるべき目の前のことをやっていれば、道は必ず開くわ。」
最強の生物リヴァイアサンは数少ない常識人だった。
「みんな! ありがとう! 私は歌劇団部のイメージソングを作ってみせるわ!」
佐藤は自分のやるべきことを思い出した。自分のやるべきことを見つけた佐藤の目には迷いはなく前へ前へと輝いていた。
「くそ! アプロディーテーめ! 確実に殺しておけば良かった!」
おまけに佐藤の目は主役の座を奪った愛と美の女神アプロディーテーに復習を誓った。
愛美露出手のシェアハウス。
「オッホッホ!」
とりあえず愛美露出手の高笑いから入る。
「できた! メークアップ完了!」
愛美露出手は4人の女神の化粧を終えた。
「うわあ! きれい!」
「これが自分の顔!? 別人みたい!?」
「私が女神で一番美しいわ!」
「やっぱり女は見た目が全てよね!」
4人の女神は愛美露出手に化粧をしてもらい、とてもきれいな顔になり興奮していた。
「ありがとうございます! 愛美露出手お姉さま!」
「どうも、女神は美しくないと女神じゃないのよ。」
「はい! 愛美露出手お姉さま!」
愛と美の女神アプロディーテーが人間になった姿の愛美露出手は勝ち誇ったような顔をしていた。
「さあ、これで戦闘の準備も整った。みんな、ガイアの回収に行くわよ。」
「はい! 愛美露出手お姉さま!」
愛美露出手率いる女神ンジャーは大地女神ガイアを勧誘しに行くことにした。
学校の校庭の木の木陰。
「フン、フン、フンフン。」
佐藤さくらは木陰に座り歌劇団部のイメージソングを作詞していた。
「ああ~、歌を作るなんて言わなければ良かったな~。」
佐藤は安請け合いをしたことを後悔していた。
「正義のヒーローって、なんだ!?」
佐藤の歌作りはそこから始まる。
「悪を倒す。弱い者を守る。んん~パッとしないな。今の時代って、正義のヒーローは面白ければいいのよね!?」
佐藤は勘違いしていた。歌劇団部のイメージソングを作るのに、正義のヒーローのイメージソングを作ろうとしていたのであった。
学校の校庭。
「出て来い! 異世界戦隊ファンタジー! 今度こそは倒してやる!」
大地女神ガイアは復讐に燃えていた。
「待たせたな!」
そこに男の声がする。
「来たな! ・・・なんだ!? おまえたちは!?」
ガイアは目を疑った。目の前にいたのはハゲタヌ隊長とタヌキ4匹と動物4匹だったからだ。
「タヌポングリーン!」
「タヌポンブルー!」
「タヌポンイエロー!」
「タヌポンピンク!」
「犬グリーン!」
「猫ブルー!」
「パンダイエロー!」
「熊ピンク!」
8匹の動物たちは決めポーズと決めセリフを次から次へと決めていく。
「フフフ、私たちが何者か知りたいだって。まあ、いい。教えてあげよう。このタヌポンレッドと狸レッドを掛け持ちするこの私をリーダーとする我々は・・・ハゲタヌンジャーだ!」
紛れもなく地球防衛隊の隊長であるタヌキのぬいぐるみのハゲタヌ隊長と愉快な仲間たちである。
「ふざけているのか? ・・・この、このハゲー!!!」
大地女神ガイアの怒りは可愛くふざけたハゲタヌ隊長の演出にキレた。
「ギャア!? ごめんなさい!」
動物なので本能で危険を察知し、9匹は一目散に逃げだした。
学校の校庭の木の木陰。
「zzz。」
歌劇団部のイメージソングを作っていた佐藤はサボって昼寝をしていた。ヒロインから陥落した佐藤は気持ちよく口から涎を垂らして眠っていた。
学校の校庭。
「愛美露出手お姉さま、ガイアを見つけました。」
宛名はガイアに指を指して愛美露出手に教える。
「そう、ありがとう。宛名は可愛いわね。」
ガイアを見つけた宛名の頭をナデナデする愛美露出手。
「キャー! 愛美露出手お姉さま!」
宛名は天国に召されようとしていた。
「ずるい!? 宛名ばっかり可愛がって!?」
他の女神たちが宛名に嫉妬する。
愛美露出手率いる女神軍団も学校の校庭にやってきた。目的は大地女神ガイアのスカウトである。仲間は一人でも多い方がいい。
「今度はなんだ? タヌキの次は、キツネか? 女狐ども。」
ガイアも愛美露出手たちに気づいた。
「コーン! コンコン!」
女神たちは悪ふざけでキツネの着ぐるみパジャマを着て、コンコン鳴き声を出しながら踊ってみた。
「私たちは、あなたをスカウトしに来た!」
「なに!?」
「どう? 私たちの仲間にならない?」
愛美露出手はガイアに目的を伝える。
「断る! 誰がコンコンシスターズになんか入るものか!」
ガイアは女神たちの可愛いキツネの着ぐるみパジャマ姿に誤解した。
「違う! それは誤解だ!」
愛美露出手はコンコンシスターズを否定する。
「誤解なものか! じゃあ! あれはなんだ!?」
「なに!?」
ガイアが指を指した方向を愛美露出手は振り向く。
「コーン! コンコン!」
4人の女神たちがキツネの着ぐるみパジャマを気にいって楽しそうに踊っていた。
「やめろ!」
愛美露出手の大声が空気を切り裂く。
「愛美露出手お姉さま、これをどうぞ。」
尼寺須が大声を出して疲れている愛美露出手に飲み物をコップにいれておぼんで運んで来る。
「気が利くな。いただこう。」
愛美露出手はコップを手で取り、ゴクゴクと口から飲み物を飲む。
「おいしい! これは何という飲み物だ?」
愛美露出手は美味しい飲み物の名前を聞く。
「コーンスープです。」
「そうか。コーンスープか。私の好きな飲み物の欄はコーンスープにしておこう。」
愛美露出手の好きな飲み物はコーンスープに決まった。
「やっぱりコンコンシスターズじゃないか!?」
ガイアは憤怒した。
「コ~ン!」
キツネたちは喜んだ。
学校の校庭の木の木陰。
「・・・ん・・・ん・・・ふわ~あ! 良く寝た!?」
佐藤は昼寝から目を覚ました。
「できた! 佐藤さくらロボの歌!」
佐藤は奇怪な体質らしく寝ている間に佐藤さくらロボの応援ソングを監視させたのだった。
「神のお告げだ! ワッハッハー!」
本当は歌劇団部のイメージソングを作らなければいけないのだが、そんなことは佐藤には関係なかった。
学校の校庭。
「改めて言おう! ガイア、私たちの仲間になりなさい!」
愛と美の女神アプロディーテーの愛美露出手は大地女神ガイアを女神ンジャーに入るように説得をする。
「そこまでだ!」
その時、どこからか阻止する声が聞こえてくる。
「まさか!? その声は!?」
愛美露出手は声に聞き覚えがあり、声の方へ振り向いた。
「やっぱり異世界戦隊ファンタジー!?」
聞いたことのある声の主は異世界戦隊ファンタジーだった。
「ガイア! これ以上、地球を破壊することは許さないぞ!」
「なんだと!?」
「みんな! いくわよ!」
「おお!」
「ファンタジー! チェンジ!」
異世界戦隊ファンタジーのメンバーは変身を始めた。
「天使の輪っかに純白い羽! ホワイトファンタジー! 美歌恵流!」
元々大天使の美歌恵流は佐藤のカンペに抵抗なくスラスラと恥ずかしいセリフとダンスと決めポーズができる。
「漆黒のボディに黒龍の翼! ブラックファンタジー! 刃覇夢徒!」
元々最強の竜の刃覇夢徒はシャイなので抵抗があるが、地球の平和を守るために覚悟を決めた。
「可愛い猫耳に矢印尻尾! ダークファンタジー! 瑠詩富亜! わ~い! 決まった!」
元々大悪魔の瑠詩富亜は極悪な悪魔ではなく、可愛い子悪魔的な悪魔にしておいて良かった。
「牛やカバと呼ばないで! 牛乳もカレーも大好き! イエローファンタジー! 辺陽藻栖!」
元々最強の獣の辺陽藻栖は戦隊シリーズに1人はいる食べ物担当。
「普段は病弱! 水のある所では最強! 決して兵長と呼ばないで! ブルーファンタジー! 璃羽威亜紗!」
元々最強の生物の璃羽威亜紗は近くに水がある所では強かった。
「5人合わせて、異世界戦隊! ファンタジー!」
個人個人の紹介を終えて5人は決めポーズを決める。若干、刃覇夢徒だけは恥ずかしそうだった。
「異世界戦隊だと!? ふざけるな!?」
大地女神ガイアは異世界戦隊ファンタジーに呆れて怒る。
「異世界ファンタジーボンバー!」
聖なる光と竜の炎と闇の光と獣の突進力と海竜の竜巻を1つに合わせて放つ大技である。
「ギャア!?」
ガイアは異世界ファンタジーボンバーを食らって倒される。
「地球の平和は私たちが守る。」
背景でガイアが大爆発を起こす中、決めポーズを5人は決める。
「わ~い! 勝った! 勝った!」
「私たちはやればできる子よ!」
「・・・は、恥ずかしい。」
「帰りにチキン食べてく?」
「ゴホゴホ。水・・・水を下さい。」
異世界戦隊の隊員たちは喜んだ。
「喜ぶのはまだ早い! ひねりつぶしてくれるわ!」
その時、倒させたはずのガイアが巨大化して現れた。
「下からパンツ丸見えですけど。」
真下にいる隊員はベストポジションにいた。
「大地女神に歯向かったことを思い知らせてやる!」
巨大化した大地女神ティアマトが異世界戦隊に襲い掛かる。
「ちょっと待った!」
その時、ちょっと待ったコールを言いながら、謎のロボットが現れる。
「なんだ!? カラスだ!? ヘリコプターだ!?」
ティアマトは驚いた。
「超合金デラックス! 佐藤さくらロボ! 参上!」
空を飛んできたのはロボット化した佐藤さくらだった。
「佐藤さん!」
「佐藤!」
「佐藤先輩!」
「さくらちゃん!」
「佐藤さくら!」
異世界戦隊は目の前の超合金デラックス! 佐藤さくらロボの登場を頼もしく頼りにしている。
「くらえ! 佐藤さくらパンチ!」
佐藤さくらロボは地球の平和を守る必殺のパンチを繰り出す。
「ギャア!?」
大地女神ガイアはパンチを食らって、どこかへ吹きとばされた。
「地球の平和は私たちが守る! ワッハッハー!」
喋れる笑える、そして強い。今やちびっ子のアイドル、超人気の超合金デラックス! 佐藤さくらロボである。
「クソッ!? ガイアが!? みんな! 帰るよ!」
「はい! 愛美露出手お姉さま!」
女神ンジャーは帰って行った。
歌劇団部の異物寮。
「ねえねえ! みんな聞いて! 素敵な歌ができたよ!」
佐藤は仲間の5人を集めて歌を歌い出す。
「さとう! さとう! さとう! さくら! さくら! さくら! ロボ! ロボ! ロボ! 佐藤さくらロボは、みんなの人気者! 地球の平和を守るために生まれてきた! みんなの笑顔を守りたい! 超合金デラックス! 佐藤さくらロボ!」
佐藤は自作の歌をアカペラで歌いあげた。
「30点。」
「論外。」
「殺意が芽生えます。」
「お腹空いてきたな。」
「の、喉が渇きますね。誰かお水を持ってきて下さい。」
仲間は大絶賛しなかった。
「・・・。」
佐藤は仲間の反応に言葉を失った。
「酷い!? 一生懸命がんばって作ったのに!?」
本当は佐藤は寝ていただけである。
「佐藤さん、なに自分を応援する歌を作っているの?」
「え?」
「え? じゃないわよ!? 歌劇団部のイメージソングを作るんでしょうが!?」
「そうだっけ?」
「そうよ!」
美歌恵流は佐藤に指摘する。佐藤はすっかり忘れていたので、とぼけるしかできなかったが、ほぼ天然で本当に歌劇団部のイメージソングを作ることを忘れていた。
「また一から作るよ。エヘッ。」
佐藤は完全に開き直った。
地球防衛隊の本部。
「動物園は儲かるぜ!」
ハゲタヌ隊長はタヌキたちと動物たちの戦隊ショーで観光バスのツアーを組んで地球の平和を守っていた頃よりも動物園事業に特化してからの方が儲かっていた。
「ハゲタヌ隊長! 万歳!」
タヌポンジャーのタヌキたちやアニマルンジャーの動物たちもハゲタヌ隊長の商才に感心していた。
「伊達に頭はハゲてないぜ!」
ハゲタヌ隊長はハゲタヌンジャーのリーダーとして、子供たちの人気スターになっていた。
「まさか・・・ハゲタヌ隊長にこんな才能があったなんて!?」
鈴木隊員はハゲタヌ隊長の人気ぶりに驚いていた。
「目立たなくても、お金が儲かって生活できればいいや。」
最強の鳥ジズの慈豆は知名度と存在感よりも目の前のお金を優先した。
「どうだ? おまえたち。私のことを見直しただろう? ワッハッハー!」
ハゲタヌ隊長は有頂天だった。
「別に。」
「ハゲにはなりたくありません。」
鈴木と慈豆はハゲタヌ隊長の成功を素直には喜べなかった。
「おまえたち、そんな口の聞き方をしてもいいのか? 佐藤さくらが、なぜ巨大ロボットになれるかを知りたくないか?」
もったいぶった言い方でハゲタヌ隊長は言ってくる。
「なに!? それはどういうことだ!?」
鈴木はこの期に及んで謎をぶち込んでくるハゲタヌ隊長に驚いた。
「どうもこうもない。言葉の通りだ。佐藤さくらが巨大ロボットになぜなれるのか知りたいと思わないのか?」
ハゲタヌ隊長は佐藤さくらがなぜ巨大ロボットになれるかを知っているのだった。
「教えてくれ、このハゲー。」
「知りたいだろう。だったら、教えて下さい。カッコイイハゲタヌ隊長さまと言ってお願いしろ。」
「な、なんだと!?」
鈴木はハゲタヌ隊長に頭を下げるなど死んでも嫌だった。
「これもさくらのためだ。」
鈴木は屈辱に耐えて、ハゲタヌ隊長に頭を下げる。
「教えて下さい。カッコイイハゲタヌ隊長さま。」
「ハッハッハ! それでいいのだ! 隊員が隊長に頭を下げるのは当然のことだ。今までがおかしかったのだよ。」
ハゲタヌ隊長は部下の隊員に頭を下げてもらってご満悦である。
「いいだろう。教えてやろう。佐藤さくらの秘密を! 実は・・・。」
ついに鈴木は愛する佐藤さくらの秘密を知ってしまう。
愛美露出手のシェアハウス。
「愛美露出手お姉さま、何をやっているんですか?」
お家に帰って来た愛美露出手は何かの呪文を唱えている。
「もうすぐ、この物語が終わってしまうから、今の間に次回作のネタを仕込んでいるのよ。」
「先読みですね! 愛美露出手お姉さま!」
愛美露出手は女神らしく次の展開を考えていた。そして何かを生み出そうとしている。
「しかし、残念ながら私は今作である程度のキャラクター作りができてしまっているので主役やヒロインにはなれない。それならば私の分身のような存在を作り出し、私たちが次回作にも出演できるような世界を作ってしまえばいいのよ。」
「賢すぎます! 愛美露出手お姉さま!」
女神たちは愛美露出手を絶賛する。
「みんな下がって、そろそろ儀式を始めます。」
愛美露出手が自分たちの都合の良い何かを生み出そうとする。
「愛と美の女神アプロディーテーが命じる。我が愛と憧れと欲望を秘め、このアプロディーテーの魅力を宿し、この世界に生きとし生ける人間、獣、生物、天使や悪魔だけでなく、神々の心さえも支配することができる、我が化身よ! 出でよ!」
愛美露出手は愛と美の女神アプロディーテーとして呪文を唱える。すると部屋の中が金色に輝き魔方陣を描き出す。そして魔方陣から女の子が現れる。
「初めまして。アプロディーテー様。」
現れた女の子は片膝を着いて愛と美の女神アプロディーテーに忠誠を誓っている。その姿は高校1年生ぐらいの若々しい姿をしたアプロディーテーそっくりだった。ちなみに愛美露出手は新任教師役なので23才のおばさんである。
「よく来た。私の美しい愛の化身よ。」
「はい、アプロディーテー様。」
「そうだな。まずはおまえに名前を与えよう。愛神望にしよう。実に美しい名前だ。」
「ありがたき幸せです。アプロディーテー様。」
こうして愛と美の女神アプロディーテーの化身の名前は愛神望に決まった。
「愛神望。おまえは今から、この世界で1番冴えなさそうな人間を選んで、愛と美の女神アプロディーテーの化身の名において、美しい人生に生まれ変わらせるのです。」
「かしこまりました。アプロディーテー様。」
これがアプロディーテーから愛神望に課せられた使命だった。
「これで私たち女神は永遠に不滅です!」
「さすがです! 愛美露出手お姉さま!」
「オッホッホ!」
こうして女神たちは次戦の準備も完璧だった。
歌劇団部の異物寮。
「ねえねえ! みんな聞いて! 今度こそ素敵な歌ができたよ!」
佐藤は仲間の5人を集めて歌を歌い出す。
「歌劇団! 歌劇団! 歌劇団! 渋谷塚高校に君臨し、全国の歌劇団部を支配する! その名も渋谷塚高校歌劇団部! 愛と夢と希望! そしてお客様には生きる活力を! そのために私たち歌劇団部は、歌い、踊り、華やかなファンシーな世界を演じます! 我らは渋谷塚歌劇団部! 歌劇団部に栄光あれ!」
佐藤は自作の歌をアカペラで歌いあげた。
「30点。」
「論外。」
「殺意が芽生えます。」
「お腹空いてきたな。」
「の、喉が渇きますね。誰かお水を持ってきて下さい。」
仲間は大絶賛しなかった。
「・・・。」
佐藤は仲間の反応に言葉を失った。
「酷い!? 一生懸命がんばって作ったのに!?」
今回は佐藤は佐藤なりに考えた。
「佐藤さん、なにダサい歌を作っているの?」
「え?」
「え? じゃないわよ!? 歌劇団部のイメージ悪くなるでしょう!?」
「そんなに酷かった!?」
「そうよ!」
美歌恵流は佐藤に指摘する。佐藤はほぼ天然で本気で歌劇団部のイメージソングを作ったと思っていた。
「また一から作るよ。エヘッ。」
佐藤は完全に開き直った。
「もう結構よ。」
「え?」
「私たち5人で歌劇団部のイメージソングは作ったから。」
「ええ!?」
なんと美歌恵流たちは佐藤に期待ができないので、自分たちで歌詞と作曲と踊りと全てのイメージソングを作る項目を終えて、歌劇団部のイメージソングを完成させていた。
「酷い!? 私はおとりだったのね!?」
佐藤は自分だけ除け者だったことを僻む。
「おかげさまで、素晴らしい歌劇団部のイメージソングができたわよ。」
美歌恵流は佐藤に勝ち誇った顔で言う。
「聞かせて! 私にも歌劇団部のイメージソングを聞かせてちょうだい! アカペラでいいから歌ってちょうだい!」
佐藤は美歌恵流に襲い掛かって歌を聞かせるようにせがんだ。
「嫌よ。佐藤さんには聞かせてあげない!」
「歌いなさいよ! 美歌恵流! 私が0点って言ってあげるわ!」
佐藤は復讐に燃えていた。
「みなさんに愛と夢を届けます! 歌劇団部の部員は可愛い天使です!」
その時、瑠詩富亜が歌劇団部のイメージソングを歌い出した。
「こら! 瑠詩富亜! 勝手に歌うな!」
「なに歌詞に天使を入れてるのよ!?」
「いいでしょう!? 私がヒロインなんだから!」
「ウッキー!」
佐藤と美歌恵流の取っ組み合いは、いつまでも続いた。
「元気だな。」
「あんな天使にはなりたくないです。」
「お腹空いたな~。お団子が食べたいな。」
「ゴホゴホ。正確には美歌恵流さんは騒いでいただけです。」
友達っていいね。
つづく。
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