第11話 佐藤さくらロボは永遠に不滅です

「天使の輪っかに純白い羽! ホワイトファンタジー! 美歌恵流!」

元々大天使の美歌恵流は佐藤のカンペに抵抗なくスラスラと恥ずかしいセリフとダンスと決めポーズができる。

「漆黒のボディに黒龍の翼! ブラックファンタジー! 刃覇夢徒!」

元々最強の竜の刃覇夢徒はシャイなので抵抗があるが、地球の平和を守るために覚悟を決めた。

「可愛い猫耳に矢印尻尾! ダークファンタジー! 瑠詩富亜! わ~い! 決まった!」

元々大悪魔の瑠詩富亜は極悪な悪魔ではなく、可愛い子悪魔的な悪魔にしておいて良かった。

「牛やカバと呼ばないで! 牛乳もカレーも大好き! イエローファンタジー! 辺陽藻栖!」

元々最強の獣の辺陽藻栖は戦隊シリーズに1人はいる食べ物担当。

「普段は病弱! 水のある所では最強! 決して兵長と呼ばないで! ブルーファンタジー! 璃羽威亜紗!」

元々最強の生物の璃羽威亜紗は近くに水がある所では強かった。

「5人合わせて、異世界戦隊! ファンタジー!」

個人個人の紹介を終えて5人は決めポーズを決める。若干、刃覇夢徒だけは恥ずかしそうだった。

「異世界戦隊だと!? ふざけるな!?」

月の女神セレーネーは異世界戦隊ファンタジーに呆れて怒る。

「異世界ファンタジーボンバー!」

聖なる光と竜の炎と闇の光と獣の突進力と海竜の竜巻を1つに合わせて放つ大技である。

「ギャア!?」

セレーネーは異世界ファンタジーボンバーを食らって倒される。

「地球の平和は私たちが守る。」

背景でセレーネーが大爆発を起こす中、決めポーズを5人は決める。

「わ~い! 勝った! 勝った!」

「私たちはやればできる子よ!」

「・・・は、恥ずかしい。」

「帰りにチキン食べてく?」

「ゴホゴホ。水・・・水を下さい。」

異世界戦隊の隊員たちは喜んだ。

「喜ぶのはまだ早い! ひねりつぶしてくれるわ!」

その時、倒させたはずのセレーネーが巨大化して現れた。

「下からパンツ丸見えですけど。」

真下にいる隊員はベストポジションにいた。

「月の女神に歯向かったことを思い知らせてやる!」

巨大化した月の女神セレーネーが異世界戦隊に襲い掛かる。

「ちょっと待った!」

その時、ちょっと待ったコールを言いながら、謎のロボットが現れる。

「なんだ!? カラスだ!? ヘリコプターだ!?」

セレーネーは驚いた。

「超合金デラックス! 佐藤さくらロボ! 参上!」

空を飛んできたのはロボット化した佐藤さくらだった。

「佐藤さん!」

「佐藤!」

「佐藤先輩!」

「さくらちゃん!」

「佐藤さくら!」

異世界戦隊は目の前の超合金デラックス! 佐藤さくらロボの登場を頼もしく頼りにしている。

「くらえ! 佐藤さくらパンチ!」

佐藤さくらロボは地球の平和を守る必殺のパンチを繰り出す。

「ギャア!?」

月の女神セレーネーはパンチを食らって、どこかへ吹きとばされた。

「地球の平和は私たちが守る! ワッハッハー!」

喋れる笑える、そして強い。今やちびっ子のアイドル、超人気の超合金デラックス! 佐藤さくらロボである。そして緞帳が降りてきて終わる。

「パチパチパチパチ!」

鳴り止まない拍手に包まれ幕を閉じる。

 この物語は可愛い女子高生の部活動、渋谷塚歌劇団部が演じるお芝居の名作、異世界戦隊ファンタジーが地球の平和を守るという物語である。ちなみに普通の女子高生、佐藤さくらが新型ヒロイン、超合金デラックス、佐藤さくらロボに変身する方法は秘密である。

「いつになったら、私は出てくるんだ!?」

 元々は最強の鳥ジズは可愛い女子高生の慈豆になったのだが、知名度と存在感の薄さから出番が中々やって来なかった。



学校の教室。

「こんなところに呼び出して何の用よ!? 陸。」

佐藤は鈴木に呼び出された。

「実はさくらに大切な話があるんだ!」

鈴木の顔はシリーズ中で一番真剣な表情をしている。

「まさか!? 最終回だからって、愛の告白をしようとでもいうの!?」

佐藤は身構えたふりをする。

(やった! やっと陸から告白してくれるんだ! わ~い!)

佐藤の心の中は乙女チックに喜んでいた。

「違うんだ!」

鈴木は否定する。

「違うのかい!?」

佐藤は否定されてズッコケる。

「じゃあいったい何なのよ!? 何が言いたくて、私を呼び出したのよ!? こう見えても佐藤さくらロボとして、地球の平和を守っていて忙しいのよ!?」

佐藤はあくまでもヒロイン気質で冷静を装う。

「・・・知ってしまったんだ。」

「なにを?」

「さくらの秘密を!」

「わ、私の秘密!?」

神妙な表情で語る鈴木。

「まさか!? 私の今日の下着が黒のティーバッグを初めて履いてお尻がスウスウしいてトイレが近いことを、なぜ知っている!?」

佐藤は自分の下着の秘密を鈴木に知られたと慌てふためいた。

「そうなのか?」

鈴木は佐藤の下着のことなど知らなかった。

「陸の変態!!!」

「ギャア!?」

佐藤は巨大ロボットに変身したかのような、佐藤さくらパンチを鈴木にお見舞いして吹き飛ばす。

「ち、違う!? 俺が知ったのは可愛い女子高生のさくらが、なぜ巨大ロボットに変身できるかという謎を知ってしまったのだ!」

鈴木はやっと本題を言えた。

「え? そうだったの。ごめんごめん。」

「死ぬかと思ったわ!?」

佐藤は素直に自分の早とちりを謝った。

「で、どうして私は巨大ロボットに変身できるの?」

「早!? それでいいのか!?」

佐藤は天然なので細かいことは気にしなかったが、殴られた鈴木は納得ができなかった。

「そんなに怒らないで。ねえ、陸。」

佐藤は可愛く微笑んで怒っている鈴木に笑いかける。

「まあ、いい。教えてやろう。」

鈴木は佐藤に甘えられると少し照れてあっさりと許してしまう。

「・・・さくらは・・・死んでいたんだ。」

鈴木は佐藤が死んでいるという。

「へえ!? やめてよ~陸。私が死んでいるなんて笑えない冗談は!」

佐藤は鈴木の発言を冗談と思って信じていない。

「実は・・・。」



佐藤さくら死亡の回想。

佐藤と鈴木が駅のホームにいる。そこに電車がやって来る。ヒロインの座を狙う美歌恵流が佐藤を駅のホームから線路の上に突き落とし、電車に引かれそうになる。


昨日の下校時。

陸とさくらは自宅に帰るために電車に乗るために駅のホームで電車が来るのを待っていた。

「相変わらず陸は冴えないわね!? もっとカッコよく振る舞えないの!?」

佐藤はパッとしない普通の男子高生の鈴木にイライラしていた。

「ごめん、佐藤。」

自分に自信のない鈴木は謝ることしかできなかった。

「電車がホームを通過します。白線の内側でお待ちください。」

その時、電車が駅を通過するというアナウンスが入る。

「まったく、陸はだらしがないんだから・・・え!?」

佐藤が鈴木を軽くけなして白線の中に移動しようとした時だった。見えない手が佐藤を正面から押す。佐藤の体は駅のホームからレールの上に放り出される。

「ギギギ!」

通過電車の運転士が駅のホームからレールに人が飛び出したのを視認し電車の急ブレーキをかける。しかし絶対に間に合わない。

(さくらは僕が守る!)

咄嗟の事故なのに鈴木は佐藤の手を引っ張り、佐藤を安全な駅のホームの上に移した。だが反動で鈴木は危険なレールの上に投げ出される。2人の位置が入れ替わったのだ。

「ブチ!」

電車と鈴木がぶつかった。通過電車が駅のホームに入って来たのだ。

「り、りく!?」

一瞬で佐藤の目の前から鈴木の姿が消える。佐藤はショックで、そのまま意識を失って駅のホームに倒れてしまった。

「ギギギ!」

電車は駅のホームを過ぎ去った所で緊急停止をして止まった。

ここで鈴木が電車に引かれた回想終わる。



高校の教室に戻る。

「というのが流れだった。」

鈴木は回想を振り返り語り出す。

「そうよ。陸が命懸けで私を守ってくれたじゃない!? どうして私が死ななきゃいけないのよ!?」

佐藤は自分が死んでいるという設定を受け入れられなかった。

「実は・・・あの後、駅のホームで気絶したさくらは、急停止して止まった電車から降りてきた大量の乗客に踏まれたんだ。」

「ふ、踏まれた!?」

「大量の乗客が駅のホームから去った後・・・さくらは息をしていなかった。」

そう、佐藤さくらの死因は駅のホームで気絶している間に踏まれて死んだのだった。

「なに!? 何よ!? それ!? 私は踏まれて死んだってこと!? 私を踏んだ連中を全員連れて来なさいよ!? 殴り殺してやる!」

佐藤の怒りは最高潮に達した。

「落ち着け!? さくら!?」

「これが落ち着いていられますか!?」

「どうどうどう!」

「ヒヒーン!」

佐藤は暴れ馬のように落ち着こうとはしなかった。

「さくら、その続きを知りたいと思わないか?」

鈴木は佐藤を落ち着かせるために、ニンジン作戦に出た。

「そうよ! 私が巨大ロボットになった秘密が解読されてないわ!? 教えなさいよ! 陸!」

佐藤も大切なことに気がついた。

「実は・・・。」

鈴木は回想の続きを語り始める。



佐藤さくら死亡後の回想。

地球防衛隊の本部。

「可哀そうに・・・まだ可愛い女子高生なのに・・・。」

まだ人間の姿であったハゲタヌ隊長が佐藤さくらの遺体を見ている。佐藤の遺体は手術室の手術台の上に寝かされている。

「皮肉だな。助けようとした鈴木隊員は奇跡的に半死で済んだのに、助けた女子高生が電車の乗客に踏まれて死んだだなんて・・・かわいそう過ぎて言えない。」

ハゲタヌ隊長は心優しき人物だった。

「可愛い女子高生に蘇生手術を始めてくれ。」

「了解。」

地球防衛隊の手術チームが佐藤さくらの蘇生手術を始めた。



手術は順調に行われているかに見えた。

「どうだ。順調か?」

手術室にハゲタヌ隊長が手術チームを激励にやってきた。

「はい。大丈夫です。この調子でいけば無事に生き返るでしょう。」

「それは良かった。これで鈴木隊員にも心置きなく地球の平和を守る地球防衛隊の隊員として活躍してもらえるな。ワッハッハー!」

その時だった。ハゲタヌ隊長が笑って飛んだ唾が口から飛んで、佐藤さくらの遺体に飛び着いた。

「ふっかーつ!」

佐藤さくらは目を覚まし、いきなり巨大化し、ロボットになった。

「ギャア!? 地球防衛隊の本部が!?」

巨大化して佐藤さくらロボに地球防衛隊の本部は破壊された。ということは今の地球防衛隊の本部は2代目ということになる。また地球防衛隊に借金があるとすれば、佐藤さくらロボが地球防衛隊の本部を破壊して、再建するのに資金が必要だったということになる。

「おやす~み!」

巨大化していた佐藤さくらロボは意識をなくして小さくなっていき、元の女子高生の姿になって落ち着いた。

「zzz。」

佐藤は巨大化して疲れたのか再び眠りに着いた。

「なんと迷惑な!?」

ハゲタヌ隊長は言葉を失った。

回想終わる。



再び教室に戻る。

「ちょっと待って! 私が悪いんじゃないじゃない! 私が巨大ロボになった原因はハゲタヌ隊長じゃない!」

そう、佐藤の蘇生手術中に手術室に現れたハゲタヌ隊長が原因であった。

「そうかもしれないけど、ハゲタヌ隊長が救ってくれなかったら、さくらは今頃、死んでいたんだよ?」

鈴木は荒れ狂う佐藤を説得しようとする。

「そ、それはそうだけど・・・。」

佐藤が鈴木の言葉に一瞬怯んだ。

「俺はさくらが巨大ロボットになる女の子でも好きだ。」

鈴木は佐藤に愛を告白する。

「巨大化してロボットになるんだよ!? それでもいいの?」

佐藤は恐る恐る鈴木に聞く。

「さくらは、さくらだろ。」

「陸・・・。」

佐藤と鈴木はいい感じに見つめ合う。

「でも、あなたは陸じゃない。」

「え?」

「あなたは私が好きだった自分に自信がなくて、右に左にアタフタして、私に告白なんてできないところが可愛かった、私の好きな陸じゃない。」

佐藤は自分の素直な思いを打ち明ける。佐藤にとって今の自信満々で女の子を遊んで傷つけても心を痛めないような俺様の鈴木陸は好きではなかった。

「さようなら! 陸!」

佐藤は泣きながら駆けだした。

「さくら!? どこへ行くんだ!?」

鈴木は去って行く佐藤を呼び止める。

「ハゲタヌ隊長にパンチを浴びせてくる!」

そう言うと佐藤は去って行った。



地球防衛隊の本部。

「出て来い! 地球防衛隊! 地球がうるさいから月でゆっくり昼寝ができないだろう!」

月の女神セレーネーが地球防衛隊の本部を襲いに来た。

「そこまでだ! 月の女神!」

「何者だ!?」

「最終回に私の出番を取って置くとは粋な演出ね! 私は最強の鳥ジズが可愛い女子高生になり地球防衛隊に救われた、慈豆隊員だ!」

現れたのはハゲタヌ隊長率いるタヌポンジャーではなく、その前に慈豆が現れた。

「くらえ! ムーンライトビーム!」

「なにを! 口からウェーブカノン砲!」

セレーネーと慈豆は互いの必殺技を繰り出して激しく戦う。

「やるな! 鳥の分際で!」

「あなたこそ! 女神のくせに!」

互いの実力は五分五分であったが、意外に結末は早かった。

「ゲフ? ゲフゲフ!? グワーッ!?」

慈豆の口から煙が出てきた。久しぶりに口から波動砲を撃ったので整備不足で故障を起こしたみたいだった。

「チャンス! 焼き鳥にしてくれる!」

慈豆は絶対絶命のピンチを迎えた。

「やめろ! 月の女神!」

「おまえたちは!? 異世界戦隊!?」

窮地の慈豆を救ったのは異世界戦隊ファンタジーの5人だった。

「みんな! これが私たちの最後の戦いよ!」

「暑苦しい・・・。」

「わ~い! 最後!」

「打ち上げのチキンの詰め合わせを予約しなくっちゃ!」

「え!? 薬ができた!? 早速取り寄せなくては!? ゴホゴホ!?」

相変わらず異世界戦隊に協調性はなかった。

「いくぞ! ファンタジー! チェンジ!」

5人は可愛い女子高生から異世界戦隊に変身していく。

「天使の輪っかに純白い羽! ホワイトファンタジー! 美歌恵流!」

元々大天使の美歌恵流は佐藤のカンペに抵抗なくスラスラと恥ずかしいセリフとダンスと決めポーズができる。

「漆黒のボディに黒龍の翼! ブラックファンタジー! 刃覇夢徒!」

元々最強の竜の刃覇夢徒はシャイなので抵抗があるが、地球の平和を守るために覚悟を決めた。

「可愛い猫耳に矢印尻尾! ダークファンタジー! 瑠詩富亜! わ~い! 決まった!」

元々大悪魔の瑠詩富亜は極悪な悪魔ではなく、可愛い子悪魔的な悪魔にしておいて良かった。

「牛やカバと呼ばないで! 牛乳もカレーも大好き! イエローファンタジー! 辺陽藻栖!」

元々最強の獣の辺陽藻栖は戦隊シリーズに1人はいる食べ物担当。

「普段は病弱! 水のある所では最強! 決して兵長と呼ばないで! ブルーファンタジー! 璃羽威亜紗!」

元々最強の生物の璃羽威亜紗は近くに水がある所では強かった。

「5人合わせて、異世界戦隊! ファンタジー!」

個人個人の紹介を終えて5人は決めポーズを決める。若干、刃覇夢徒だけは恥ずかしそうだった。

「今度は負けないぞ! 異世界戦隊!」

月の女神セレーネーは異世界戦隊ファンタジーに呆れて怒る。

「異世界ファンタジーボンバー!」

聖なる光と竜の炎と闇の光と獣の突進力と海竜の竜巻を1つに合わせて放つ大技である。

「ギャア!?」

セレーネーは異世界ファンタジーボンバーを食らって倒される。

「地球の平和は私たちが守る。」

背景でセレーネーが大爆発を起こす中、決めポーズを5人は決める。

「わ~い! 勝った! 勝った!」

「私たちはやればできる子よ!」

「・・・は、恥ずかしい。」

「帰りにチキン食べてく?」

「ゴホゴホ。水・・・水を下さい。」

異世界戦隊の隊員たちは喜んだ。

「喜ぶのはまだ早い! ひねりつぶしてくれるわ!」

その時、倒させたはずのセレーネーが巨大化して現れた。

「下からパンツ丸見えですけど。」

真下にいる隊員はベストポジションにいた。

「月の女神に歯向かったことを思い知らせてやる!」

巨大化した月の女神セレーネーが異世界戦隊に襲い掛かる。

「ちょっと待った!」

その時、ちょっと待ったコールを言いながら、謎のロボットが現れる。

「なんだ!? カラスだ!? ヘリコプターだ!?」

セレーネーは驚いた。

「超合金デラックス! 佐藤さくらロボ! 参上!」

空を飛んできたのはロボット化した佐藤さくらだった。

「佐藤さん!」

「佐藤!」

「佐藤先輩!」

「さくらちゃん!」

「佐藤さくら!」

異世界戦隊は目の前の超合金デラックス! 佐藤さくらロボの登場を頼もしく頼りにしている。

「くらえ! 佐藤さくらパンチ!」

佐藤さくらロボは地球の平和を守る必殺のパンチを繰り出す。

「ギャア!?」

月の女神セレーネーはパンチを食らって、どこかへ吹きとばされた。

「地球の平和は私たちが守る! ワッハッハー!」

喋れる笑える、そして強い。今やちびっ子のアイドル、超人気の超合金デラックス! 佐藤さくらロボである。そして緞帳が降りてきて終わる。

「パチパチパチパチ!」

鳴り止まない拍手に包まれ幕を閉じる・・・かに見えた。

「出て来い! ハゲタヌキ!」

佐藤さくらロボのターゲットは自分を巨大ロボットに改造し、大好きだった陸の性格を変えてしまった地球防衛隊のハゲタヌ隊長だった。

「私と陸の青春を返せ!」

佐藤の怒りは収まらなかった。

「やめろ!? おまえたち!?」

その時、ハゲタヌ隊長がタヌキ4匹と動物4匹に裏切られ手足を持ち上げられ拘束した状態で佐藤さくらロボの前に担ぎ出された。

「佐藤さくらロボ様! 生贄を差し上げます!」

タヌポンジャーのタヌキたちと動物たちはハゲタヌ隊長を佐藤に差し出した。

「皆の者、ご苦労であった。下がってよいぞ。」

「はは。」

タヌキ4匹と動物4匹はハゲタヌ隊長を見捨てて去って行った。

「ハゲタヌ~! 殺してやる!」

佐藤は気合をチャージし始め、いつもよりも強いパンチを出すつもりであった。

「ま、待て!? 私が救わなかったら、おまえも鈴木も死んでいたんだぞ!? 助けてやった私に感謝するべきだろう!?」

ハゲタヌ隊長の言うことはもっともであった。

「生身の女の子と男の子でなくなってるなら、死んだ方がマシよ!!!」

乙女の叫びである。

「私は普通の女の子として、大好きな陸と幸せになりたかったのよ! 私のこれからの人生をどうしてくれるのよ! 責任は取ってもらうわよ!」

佐藤はこれからも巨大ロボット佐藤さくらロボに変身可能な可愛い女子高生として生きていかなければいけないのだった。

「私に罪はない! よく考えろ! 巨大ロボットになれる可愛い女子高生は貴重な存在だぞ! もっと喜んで生きろ!」

ハゲタヌ隊長は必死に巨大ロボットになれることは良いことだとアピールする。

「問答無用! くらえ! 佐藤さくらパンチ!」

佐藤さくらロボは地球の平和を守る必殺のパンチを繰り出す。

「ギャア!?」

地球防衛隊のハゲタヌ隊長はパンチを食らって、どこかへ吹きとばされた。

「地球の平和は私が守る! ワッハッハー!」

喋れる笑える、そして強い。今やちびっ子のアイドル、超人気の超合金デラックス! 佐藤さくらロボである。

「ああ~スッキリした!」

佐藤の顔に笑顔が戻った。

「佐藤さん、お疲れ様。」

「本番はこれからだ。」

「わ~い! これから部活動ですよ!」

「打ち上げは、たこ焼きパーティーにしよう。」

「私は流しそうめんパーティーだと嬉しいです・・・ゴホゴホ。」

佐藤の勝利を同じ部活動の仲間たちが迎えてくれる。

「巨大ロボットになっちゃうけど、私には、私を受け入れてくれる仲間がいるんだ! わ~い! みんな! 大好き! 一緒に部活動をがんばろう!」

佐藤は巨大ロボットのまま、仲間たちにダイブした。綺麗な輝かしい青春の1コマで物語はエンドロールを迎える・・・はずだった。

「何するのよ!? 佐藤さん!?」

美歌恵流は大天使ミカエルの姿になり、佐藤さくらロボのダイブを避ける。

「ごめんごめん。えへへ。」

佐藤は笑ってごまかす。

「佐藤・・・殺す。」

刃覇夢徒は最強の竜バハムートの姿になり、佐藤さくらロボと戦う気満々で殺意に満ちていた。

「ストーップ!? 私たち黄金コンビでしょう!?」

佐藤は命乞いをする。

「わ~い! 佐藤先輩の下敷きになったのは、私の分身ですよ!」

瑠詩富亜は大悪魔ルシファーの姿になり,佐藤さくらロボを呪う気だった。

「よかった! 無事で!」

佐藤はホッとして息を吐いた。

「さくらちゃん! 打ち上げの時は小さくなってよ!」

辺陽藻栖は最強の獣ベヒモスの姿になり、佐藤さくらロボの巨体に打ち上げの御馳走を食べられないか心配した。

「安心して! 食欲は女子高生のままよ!」

佐藤はダイエットしていた。

「ゴホゴホ・・・佐藤さくらさん。」

璃羽威亜紗は最強の生物リヴァイアサンの姿になり、佐藤さくらロボのダイブを避けたら急な運動で体調が悪くなった。

「水よ! 水!」

佐藤は水を探し求めた。

「私たちで地球の平和を守ろう!」

「おお!」

こうして綺麗に佐藤さくらロボは青春モノの伝説になった。


終わり。


おまけ。

「だ、誰か助けて・・・私は・・・ここよ・・・。」

最強の鳥ジズは存在感と知名度の無さから、誰にも助けてもらえずに口から煙を吐いて倒れたままだった。


終わる。

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