第8話 地球防衛隊の広報業務

「天使の輪っかに純白い羽! ホワイトファンタジー! 美歌恵流!」

元々大天使の美歌恵流は佐藤のカンペに抵抗なくスラスラと恥ずかしいセリフとダンスと決めポーズができる。

「漆黒のボディに黒龍の翼! ブラックファンタジー! 刃覇夢徒!」

元々最強の竜の刃覇夢徒はシャイなので抵抗があるが、地球の平和を守るために覚悟を決めた。

「可愛い猫耳に矢印尻尾! ダークファンタジー! 瑠詩富亜! わ~い! 決まった!」

元々大悪魔の瑠詩富亜は極悪な悪魔ではなく、可愛い子悪魔的な悪魔にしておいて良かった。

「牛やカバと呼ばないで! 牛乳もカレーも大好き! イエローファンタジー! 辺陽藻栖!」

元々最強の獣の辺陽藻栖は戦隊シリーズに1人はいる食べ物担当。

「普段は病弱! 水のある所では最強! 決して兵長と呼ばないで! ブルーファンタジー! 璃羽威亜紗!」

元々最強の生物の璃羽威亜紗は近くに水がある所では強かった。

「5人合わせて、異世界戦隊! ファンタジー!」

個人個人の紹介を終えて5人は決めポーズを決める。若干、刃覇夢徒だけは恥ずかしそうだった。

「異世界戦隊だと!? ふざけるな!?」

大母女神キュベレーは異世界戦隊ファンタジーに呆れて怒る。

「異世界ファンタジーボンバー!」

聖なる光と竜の炎と闇の光と獣の突進力と海竜の竜巻を1つに合わせて放つ大技である。

「ギャア!?」

キュベレーは異世界ファンタジーボンバーを食らって倒される。

「地球の平和は私たちが守る。」

背景でキュベレーが大爆発を起こす中、決めポーズを5人は決める。

「わ~い! 勝った! 勝った!」

「私たちはやればできる子よ!」

「・・・は、恥ずかしい。」

「帰りにチキン食べてく?」

「ゴホゴホ。水・・・水を下さい。」

異世界戦隊の隊員たちは喜んだ。

「喜ぶのはまだ早い! ひねりつぶしてくれるわ!」

その時、倒させたはずのキュベレーが巨大化して現れた。

「下からパンツ丸見えですけど。」

真下にいる隊員はベストポジションにいた。

「大母女神に歯向かったことを思い知らせてやる!」

巨大化した大母女神キュベレーが異世界戦隊に襲い掛かる。

「ちょっと待った!」

その時、ちょっと待ったコールを言いながら、謎のロボットが現れる。

「なんだ!? カラスだ!? ヘリコプターだ!?」

キュベレーは驚いた。

「超合金デラックス! 佐藤さくらロボ! 参上!」

空を飛んできたのはロボット化した佐藤さくらだった。

「佐藤さん!」

「佐藤!」

「佐藤先輩!」

「さくらちゃん!」

「佐藤さくら!」

異世界戦隊は目の前の超合金デラックス! 佐藤さくらロボの登場を頼もしく頼りにしている。

「くらえ! 佐藤さくらパンチ!」

佐藤さくらロボは地球の平和を守る必殺のパンチを繰り出す。

「ギャア!?」

大母女神キュベレーはパンチを食らって、どこかへ吹きとばされた。

「地球の平和は私たちが守る! ワッハッハー!」

喋れる笑える、そして強い。今やちびっ子のアイドル、超人気の超合金デラックス! 佐藤さくらロボである。そして緞帳が降りてきて終わる。

「パチパチパチパチ!」

鳴り止まない拍手に包まれ幕を閉じる。

この物語は可愛い女子高生の部活動、渋谷塚歌劇団部が演じるお芝居の名作、異世界戦隊ファンタジーが地球の平和を守るという物語である。ちなみに普通の女子高生、佐藤さくらが新型ヒロイン、超合金デラックス、佐藤さくらロボに変身する方法は秘密である。

「いつになったら、私は出てくるんだ!?」

元々は最強の鳥ジズは可愛い女子高生の慈豆になったのだが、知名度と存在感の薄さから出番が中々やって来なかった。



地球防衛隊の本部。

「歌劇団部のイメージソングか・・・なかなかいいのが思い浮かばないな。」

佐藤さくらは高校の歌劇団部のイメージソングを考えていて、地球の平和を守ることは忘れていた。

「さくら、出番だぞ。」

同じく地球防衛隊の鈴木隊員が控室にいる佐藤を呼びに来た。

「もう時間なんだ。行ってくるね。」

佐藤は控室を出て行く。

「がんばれよ。」

鈴木は佐藤に励ましの声をかけた。

「キャアアア!」

控室から会場に現れた佐藤に黄色い声援が飛ぶ。

「ロボだ!」

「キャアアア!」

「カッコイイ!」

子供たちが佐藤に目を輝かせながら声援を送る。

「みんな! こんにちわ!」

「こんにちわ!」

素直な子供たちは佐藤の呼びかけに返事をする。

「地球防衛隊の公式ロボット、超合金デラックス! 佐藤さくらロボを演じています。佐藤さくらです。」

佐藤は地球防衛隊の隊員で、子供たちに大人気のヒロインなので、地球防衛隊の活動を広めるための広報宣伝活動にも借り出されているのだった。

「キャアアア!」

子供たちは大好きなヒロインの登場に興奮する。

「パンツ見せて!」

一部の成人男子からセクハラ声援が飛ぶ。

「誰が見せるか!?」

純粋な佐藤はセクハラ声援にもいちいち返事をする。

「それでは気を取り直して、地球防衛隊が地球を守っている活動を紹介したいと思います。」

佐藤は子供たちを相手に詰まらない地味な地球防衛隊の活動報告を始める。

「地球防衛隊は道に落ちている空き缶やたばこの吸い殻を拾って道をきれいにして、みんなが道を歩いて嫌な気持ちにならないようにがんばっています。」

佐藤はスクリーンに映される映像と共に紹介する。

「ふあ~。」

子供たちは地球防衛隊の活動が面白くないのか欠伸をして退屈そうである。大人気ヒロイン佐藤さくらの人気をもってしても、子供たちには地球の平和はどうでもいいのだった。

「ポンポンポン!」

その時だった。会場の子供たちが地球防衛隊の活動報告に飽きて帰ってしまかもしれないという冷たい空気感を感じ助け船が登場した。

「ザワザワ!?」

半分寝ていた子供たちが目を覚まし周囲をキョロキョロと興味津々に見回す。

「何者だ!?」

佐藤は決められたセリフを言うようにワザとらしく尋ねる。

「私は地球の平和を破壊する、ブラックタヌポンだ!」

間違いなく地球防衛隊のタヌキのぬいぐるみのハゲタヌ隊長が黒いペンキで色を黒くした姿である。

「ダッセー! 黒タヌキだ!」

「地球の平和を破壊するだって? 恥ずかしくないのかよ!?」

今時の子供たちには黒いタヌキのぬいぐるみなど怖くはなかったのだ。

「許せん!」

ハゲタヌ隊長は子供たちの冷たい態度にムカついた。

「子供たちのおやつを食べちゃうぞ!」

地球防衛隊が子供たちに無料で配布した、佐藤さくらロボのイラスト入りのオリジナルの板チョコを元々ハゲタヌ隊長のブラックタヌポンは奪うというのだ。

「うえええん! お菓子取られるのは嫌だ!」

地球の平和の破壊では泣かなかった子供たちが自分のおやつを取られると思うと泣き始めたのだった。

「やめろ! クソタヌキ!」

その時だった。どこからか声が響く。

「ああ! 子供たちあっちを見て!」

佐藤が子供たちの視線を指を指して集める。

「天使の輪っかに純白い羽! ホワイトファンタジー! 美歌恵流!」

元々大天使の美歌恵流は佐藤のカンペに抵抗なくスラスラと恥ずかしいセリフとダンスと決めポーズができる。

「漆黒のボディに黒龍の翼! ブラックファンタジー! 刃覇夢徒!」

元々最強の竜の刃覇夢徒はシャイなので抵抗があるが、地球の平和を守るために覚悟を決めた。

「可愛い猫耳に矢印尻尾! ダークファンタジー! 瑠詩富亜! わ~い! 決まった!」

元々大悪魔の瑠詩富亜は極悪な悪魔ではなく、可愛い子悪魔的な悪魔にしておいて良かった。

「牛やカバと呼ばないで! 牛乳もカレーも大好き! イエローファンタジー! 辺陽藻栖!」

元々最強の獣の辺陽藻栖は戦隊シリーズに1人はいる食べ物担当。

「普段は病弱! 水のある所では最強! 決して兵長と呼ばないで! ブルーファンタジー! 璃羽威亜紗!」

元々最強の生物の璃羽威亜紗は近くに水がある所では強かった。

「5人合わせて、異世界戦隊! ファンタジー!」

個人個人の紹介を終えて5人は決めポーズを決める。若干、刃覇夢徒だけは恥ずかしそうだった。

「キャー! 正義のヒーローだ!」

「がんばれ! 異世界戦隊!」

「僕のおやつを守って!」

地球防衛隊の戦隊ショー、正義のヒーロー異世界戦隊ファンタジーの登場である。泣いていた子供たちの顔から涙が消え笑顔に変わる。どんなに大人ぶっていても子供たちは正義のヒーローが大好きなのだ。

「異世界戦隊だと!? ふざけるな!?」

ブラックタヌポンは異世界戦隊ファンタジーに呆れて怒る。

「異世界ファンタジーボンバー!」

聖なる光と竜の炎と闇の光と獣の突進力と海竜の竜巻を1つに合わせて放つ大技である。

「ギャア!?」

ブラックタヌポンは異世界ファンタジーボンバーを食らって倒される。

「地球の平和は私たちが守る。」

背景でブラックタヌポンが大爆発を起こす中、決めポーズを5人は決める。

「わ~い! 勝った! 勝った!」

「私たちはやればできる子よ!」

「・・・は、恥ずかしい。」

「帰りにチキン食べてく?」

「ゴホゴホ。水・・・水を下さい。」

異世界戦隊の隊員たちは喜んだ。

「喜ぶのはまだ早い! ひねりつぶしてくれるわ!」

その時、倒させたはずのブラックタヌポンが巨大化して現れた。

「おえ・・・。」

真下にいる隊員はバッドポジションにいた。

「ブラックタヌポンに歯向かったことを思い知らせてやる!」

巨大化したブラックタヌポンが異世界戦隊に襲い掛かる。

「ちょっと待った!」

その時、ちょっと待ったコールを言いながら、謎のロボットが現れる。

「なんだ!? カラスだ!? ヘリコプターだ!?」

ブラックタヌポンは驚いた。

「超合金デラックス! 佐藤さくらロボ! 参上!」

空を飛んできたのはロボット化した佐藤さくらだった。

「佐藤さん!」

「佐藤!」

「佐藤先輩!」

「さくらちゃん!」

「佐藤さくら!」

異世界戦隊は目の前の超合金デラックス! 佐藤さくらロボの登場を頼もしく頼りにしている。

「くらえ! 佐藤さくらパンチ!」

佐藤さくらロボは地球の平和を守る必殺のパンチを繰り出す。

「ギャア!?」

ブラックタヌポンはパンチを食らって、どこかへ吹きとばされた。

「地球の平和は私たちが守る! ワッハッハー!」

喋れる笑える、そして強い。今やちびっ子のアイドル、超人気の超合金デラックス! 佐藤さくらロボである。そして緞帳が降りてきて終わる。

「パチパチパチパチ!」

鳴り止まない拍手に包まれ幕を閉じる。

「地球防衛隊のファン感謝祭を終わります。みんな、佐藤さくらロボの活躍を見てくれたかな?」

「はい!」

「ロボ最高!」

「パンツ丸見え!」

子供たちも大興奮の戦隊ショーと巨大ロボットの戦いであった。

「気をつけて帰ってね! バイバイ!」

笑顔で子供たちに手をふる佐藤さくらロボであった。

この物語は可愛い女子高生の部活動、渋谷塚歌劇団部が演じるお芝居の名作、異世界戦隊ファンタジーが地球の平和を守るという物語である。ちなみに普通の女子高生、佐藤さくらが新型ヒロイン、超合金デラックス、佐藤さくらロボに変身する方法は秘密である。

「いつになったら、私は出てくるんだ!?」

元々は最強の鳥ジズは可愛い女子高生の慈豆になったのだが、知名度と存在感の薄さから出番が中々やって来なかった。



その後の地球防衛隊の本部。

「い、いけない! このままでは!」

ハゲタヌ隊長がいつもの緩い雰囲気と違う。

「無駄口をたたかないで、本部の片づけを真面目にやってくださいよ。」

最強の鳥ジズの慈豆はやっとストーリーの中に登場で来た。

「どうしたんですか? ハゲタヌ隊長。」

鈴木隊員が思い詰めているハゲタヌ隊長に尋ねる。

「私たちは地球防衛隊だ! それなのにイベントにやって来たのは異世界戦隊ファンタジー・・・おかしいと思わないか!? 地球防衛隊のイベントなら地球防衛隊のヒーローショーが行われるべきだろう!?」

ハゲタヌ隊長の疑問も間違いではない。気楽に書き始めた作品に部活の新しい形として歌劇団部を実装、そしてヒロインの新しい形を模索して戦隊モノを実装、新型ヒロインを可愛い女子高生が巨大ロボットになる。

「確かに・・・さくらはどうして巨大ロボットになれるんだろう?」

少しずれている鈴木は佐藤が巨大ロボットに変身できることに疑問を感じる。

「それより私の出番を増やしてくれると嬉しいんですが?」

慈豆は地球防衛隊のことより自分の存在を気にしていた。

「よし! 決めたぞ! 私は地球防衛隊の戦隊ショーが自前でできるようにメンバーを募集するぞ!」

突然のハゲタヌ隊長の思いつきで地球防衛隊の戦隊ショーをするためにメンバーを集めることになった。

「やめてくださいよ!? もう尺が無いんですから!?」

鈴木隊員はハゲタヌ隊長の暴挙を止めようと立ち上がる。

「私は佐藤さくらロボのパワーアップパーツなので地球防衛隊の戦隊ショーのメンバーに応募できない!? 残念だ!?」

慈豆隊員は自分の不幸を呪った。

「私の知ったことか! ラノベの主流の異世界ファンタジーでなく、現代ファンタジーで書いている時点で書籍化されることも無い! 不正して評価を水増しすることも無く、出版社にコネも無いんだ! 好きなように進めてやる!」

ハゲタヌ隊長の決心は揺るがなかった。



ということで地球防衛隊の本部で地球防衛隊の戦隊ショーの戦隊メンバーをどうするか緊急会議が行われている。

「さあ! どうすればいいか、みんなの意見を聞かせてくれ!」

ハゲタヌ隊長は緊急会議に集まったメンバーの意見を聞こうとする。

「タヌポンのぬいぐるみ5体で戦隊ショーをすればいいんじゃないですか?」

鈴木隊員は面白くはないが、もっとも理に適っていることを言う。ぬいぐるみの売り上げは断トツでキャラクター戦略としては一番だろう。

「タヌポンだけでなく、犬と猫とパンダと私で地球防衛隊の戦隊ショーのメンバーにするのはどうでしょうか?」

元々最強の鳥ジズの慈豆隊員は自らも戦隊ショーのメンバーに入りたかった。それでも動物5体で戦隊を組むというアイデアは素晴らしかった。

「んん・・・。どちらも素晴らしいアイデアでぬいぐるみも売れるだろうが、普通過ぎて面白くない。面白くて採用されなければ、地球防衛隊の戦隊ショーのメンバーとしては不適合だ。」

ハゲタヌ隊長の敏腕編集長としての厳しい一言が心に突き刺さる。

「あなたはどうお思いですか?」

アイデアに困り果てたハゲタヌ隊長が女性に意見を求める。

「そうですね。私に異世界戦隊ファンタジーに対抗できる素晴らしくセクシーなアイデアがありますわ。」

なんと女は愛美露出手だった。元々愛と美の女神アプロディーテーだったが鈴木隊員の佐藤さくらが好きという邪な気持ちで変態拳銃になってしまった弾丸に撃たれてしまい可愛い女子高生になれず、セクシーな新任教師になって再登場したのだった。

「それでは今回は愛美露出手さんにお任せしよう。」

まさに地球防衛隊は悪の組織にも見えなくはない・・・見えるような・・・。

「お任せください。ハゲタヌ隊長が気に入るような展開で憎っき異世界戦隊ファンタジーと佐藤さくらロボを倒してみせますわ。オッホッホー!」

こうして元々愛と美の女神アプロディーテーの愛美露出手の復讐が始める。



放課後の体育館。

「ねえねえ、歌劇団部のイメージソングの歌詞を考えてきた?」

佐藤は歌劇団部のイメージソングを考えたがまったく思い浮かばなかった。

「バッチリですわ! 私は佐藤さんと違って讃美歌の申し子と言われるほど音楽には才能がありますの! さっそく聞かせてあげましょう!」

美歌恵流は自信たっぷりに自分の考えてきた歌を歌い始める。

「美歌恵流は偉い! 美歌恵流は最高! 美歌恵流はきれい! 美歌恵流は・・・。」

永遠と美歌恵流は自分を称える歌を歌い続けた。

「刃覇はどう?」

佐藤は美歌恵流を諦めて、次の刃覇夢徒に聞いてみた。

「私は殺しと演劇にしか興味がない。なぜイメージソングなど考えなければいけないのかが分からない。」

刃覇夢徒にしては、長台詞をがんばった方である。

「あはは・・・。瑠詩富亜はどう?」

佐藤は瑠詩富亜に尋ねる。

「わ~い! 佐藤先輩! 瑠詩富亜は佐藤先輩ロボの歌を考えてきましたよ!」

瑠詩富亜は超合金デラックス! 佐藤さくらロボの歌を考えたという。

「私の応援ソング!? 聞きたい! 聞かせてよ!」

佐藤は自分の応援ソングを聞いてみたかった。

「わ~い! 歌いますよ! 子供たちの笑顔を守る! 超合金デラックス! 佐藤さくらロボ! 下からパンツ丸見え!」

可愛くノリノリで歌う瑠詩富亜の歌は小悪魔らしく下ネタだった。

「わあああああ!? 歌わなくていい!?」

佐藤は大声を出して瑠詩富亜の歌声をかき消す。

「さくらちゃんは聞く相手を間違っているよ。」

そこに辺陽藻栖が現れる。

「辺陽藻栖、あなたは考えてきたの?」

佐藤は辺陽藻栖に聞く。

「考えてきたよ。カレーライスにするか、ラーメンにするか、それともナポリタンにするか? いや! チャーハン餃子も捨てがたい。ああ!? 私は何を選べばいいんだ!?」

辺陽藻栖が考えてきたのは今夜のごはんのことだった。

「聞いた私がバカでした・・・。」

佐藤は自分自身を責めた。

「大丈夫よ。佐藤さくら。私はちゃんと歌劇団部のイメージソングを考えてきたわよ。」

そこに現れたのは最後の砦、歌劇団部の唯一の常識人間の璃羽威亜紗だった。

「璃羽威兵長!」

「兵長と呼ばないで!?」

佐藤は璃羽威亜紗の登場に微かに希望を抱いた。

「じゃあ、歌うわよ。ふう~。」

璃羽威亜紗は歌を歌おうと息を吸い込んだ。

「バタ。」

そして、そのまま倒れてしまった。

「璃羽威!? 大丈夫!?」

佐藤は璃羽威亜紗に駆け付ける。病弱な璃羽威亜紗は空気を大量に吸い込み過呼吸を起こして倒れてしまったのだった。

「こんな調子でイメージソングなんてできるのかしら?」

佐藤は歌劇団部の部員たちに不安を感じる。



「そんなものを作る必要はない!」

否定する女の声が聞こえ、佐藤は声の方へ振り返る。

「おまえはキュベレー!?」

倒したはずの大母女神キュベレーがいた。

「さっきやられたのはワザとよ! 今回が本気の勝負よ!」

キュベレーは負けず嫌いであった。

「みんな! 異世界戦隊に変身よ!」

「おお!」

歌劇団部の部員たちは異世界戦隊ファンタジーに変身を始める。

「天使の輪っかに純白い羽! ホワイトファンタジー! 美歌恵流!」

元々大天使の美歌恵流は佐藤のカンペに抵抗なくスラスラと恥ずかしいセリフとダンスと決めポーズができる。

「漆黒のボディに黒龍の翼! ブラックファンタジー! 刃覇夢徒!」

元々最強の竜の刃覇夢徒はシャイなので抵抗があるが、地球の平和を守るために覚悟を決めた。

「可愛い猫耳に矢印尻尾! ダークファンタジー! 瑠詩富亜! わ~い! 決まった!」

元々大悪魔の瑠詩富亜は極悪な悪魔ではなく、可愛い子悪魔的な悪魔にしておいて良かった。

「牛やカバと呼ばないで! 牛乳もカレーも大好き! イエローファンタジー! 辺陽藻栖!」

元々最強の獣の辺陽藻栖は戦隊シリーズに1人はいる食べ物担当。

「普段は病弱! 水のある所では最強! 決して兵長と呼ばないで! ブルーファンタジー! 璃羽威亜紗!」

元々最強の生物の璃羽威亜紗は近くに水がある所では強かった。

「5人合わせて、異世界戦隊! ファンタジー!」

個人個人の紹介を終えて5人は決めポーズを決める。若干、刃覇夢徒だけは恥ずかしそうだった。

「出たな! 異世界戦隊ファンタジー! いくぞ!」

大母女神キュベレーと異世界戦隊ファンタジーとの決戦が始めろうとしていた。

「お待ちなさい!」

その時、女性の大声で戦いが始まるのを止める声がする。

「新任教師の愛美露出手!?」

現れたのは元々愛と美の女神アプロディーテーの愛美露出手だった。

「それに!? おまえたちは!?」

現れたのは一人だけではなかった。

「新任教師、宛名。」

「新任教師、尼寺須。」

愛美露出手は守護女神アテーナーと太陽女神天照大神が新任教師姿になった二人を連れて現れた。

「アテーナーと天照大神!? 確かに倒したはずなのに!?」

異世界戦隊は倒したはずの女神たちの再登場に驚いた。

「可愛い女子高生の戦隊ショーは、もう終わりよ。」

「なんですって!?」

愛美露出手は異世界戦隊に宣戦布告をする。

「歌劇団部は歌劇団部らしくお芝居の練習でもしていればいいのよ。」

三人の女神たちは変身を始めた。

「保健体育と美術の先生! 愛と美の女神アプロディーテー!」

「防御は完璧! 守りの先生! 守護女神アテーナー!」

「電気代はタダ! エネルギーの先生! 太陽女神天照大神!」

なんということでしょう。三人の新任教師は戦隊ヒーローの衣装に変身した。

「変態教師だ!?」

異世界戦隊ファンタジーの面々は新任教師たちを変な趣味がある女神として変な目で見た。

「誰が変態だ!? 私たちは地球防衛隊の公式戦隊だ!」

「なに!?」

「私たちは地球の平和を守る! 地球防衛隊! 女神ンジャー!」

三人の女神たちは羞恥心を捨てて、正義のヒーローとして決めポーズを決める。年の功だろうか、三人の女神たちに恥ずかしさは見えなかった。

「ダ、ダサイ・・・。」

思わず異世界戦隊ファンタジーは言葉を失った。

「何とでも言うがいい!? 私たちだって一花を咲かせたいんだ!」

三人の女神たちは出番のためなら何でもするのだ。



その映像を見ている地球防衛隊の本部。

「戦隊モノに、もう一組戦隊モノをぶつけて戦わせるとは・・・やるな! 愛美露出手!」

ハゲタヌ隊長は愛美露出手の手腕を高く評価していた。

「これでいいのか?」

鈴木隊員は異世界戦隊ファンタジーと地球防衛隊女神ンジャーにも呆れていた。

「どちらにも入れなかった私は、タヌキのぬいぐるみと冴えない男と一緒の扱い何だわ・・・悲しい・・・クスン。」

元々最強の鳥ジズの慈豆隊員は自分の存在を悲観した。



再び学校に戻る。

「こうなったら、どちらがキュベレーを倒せるか勝負よ!」

「望むところよ!」

異世界戦隊ファンタジーと地球防衛隊女神ンジャーが、どちらが先に大母女神キュベレーを倒せるか勝負することになった。

「キュベレー!」

愛と美の女神アプロディーテーがキュベレーに呼びかける。

「なんだ? 女神の面汚し共!」

キュベレーはアプロディーテーたちの落ちぶれ方が嫌だった。

「今なら地球防衛隊女神ンジャーの隊員を募集中よ! 私たちと一緒に地球の平和を守りましょう!」

アプロディーテーがキュベレーに地球防衛隊女神ンジャーの枠が二つ空いているので勧誘した。

「誰がそんな恥ずかしい役をやるもんですか!?」

キュベレーは戦隊ヒーローになることを拒んだ。

「お給料ももらえるのよ!」

「子供たちに大人気よ!」

守護女神アテーナーと太陽女神天照大神もキュベレーに甘いささやきで勧誘した。

「ええ!? お金がもらえて子供たちに大人気!?」

少しだけだがキュベレーの心が動いた。

「異世界ファンタジーボンバー!」

その時だった。聖なる光と竜の炎と闇の光と獣の突進力と海竜の竜巻を1つに合わせて放つ異世界ファンタジーボンバーが放たれた。

「ギャア!?」

キュベレーは異世界ファンタジーボンバーを食らって倒される。

「地球の平和は私たちが守る。」

背景でキュベレーが大爆発を起こす中、決めポーズを5人は決める。

「異世界ファンタジー!? もう少しで話がまとまるところだったんだぞ!?」

地球防衛隊女神ンジャーが異世界戦隊ファンタジーにクレームをつける。

「そんなこと知るか。尺がないんだ。」

刃覇夢徒は冷たく言い放つ。



「喜ぶのはまだ早い! ひねりつぶしてくれるわ!」

その時、倒させたはずのキュベレーが巨大化して現れた。

「下からパンツ丸見えですけど。」

真下にいる異世界戦隊ファンタジーと地球防衛隊女神ンジャーはベストポジションにいた。

「大母女神に歯向かったことを思い知らせてやる!」

巨大化した大母女神キュベレーが異世界戦隊に襲い掛かる。

「ちょっと待った!」

その時、ちょっと待ったコールを言いながら、謎のロボットが現れる。

「なんだ!? カラスだ!? ヘリコプターだ!?」

キュベレーは驚いた。

「超合金デラックス! 佐藤さくらロボ! 参上!」

空を飛んできたのはロボット化した佐藤さくらだった。

「佐藤さん!」

「佐藤!」

「佐藤先輩!」

「さくらちゃん!」

「佐藤さくら!」

異世界戦隊は目の前の超合金デラックス! 佐藤さくらロボの登場を頼もしく頼りにしている。

「くらえ! 佐藤さくらパンチ!」

佐藤さくらロボは地球の平和を守る必殺のパンチを繰り出す。

「ギャア!?」

大母女神キュベレーはパンチを食らって、どこかへ吹きとばされた。

「地球の平和は私たちが守る! ワッハッハー!」

喋れる笑える、そして強い。今やちびっ子のアイドル、超人気の超合金デラックス! 佐藤さくらロボである。



再び地球防衛隊の本部。

「私も自分のアニマルンジャーかタヌポンジャーを結成しようかな?」

ハゲタヌ隊長は女神ンジャーに強いインスピレーションを受けていた。

「いいな・・・さくらは出番が確約されていて・・・。」

鈴木は自分の出番が極端に減っていることを感じていた。

「次回はキュベレーも地球防衛隊女神ンジャーとして出てくるんだろ? うらやましい!?」

 元々は最強の鳥ジズは可愛い女子高生の慈豆になったのだが、知名度と存在感の薄さから出番が中々やって来なかった。

 気が付けば、地球防衛隊がオチ要員になっていた。戦隊ヒーローをたくさん出すことによりストーリーを盛り上げることに成功した。やはり毎回の新キャラクターが登場することは大切だと感じた今日この頃である。


つづく。

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