ずっと親友

「なあ。俺たちずーっと親友だったよな」

「ああ、そうだな」

「いろんなイタズラもしたし、喧嘩も殴り合いも何度もしたな」

「ああ。今ではそれもみんないい思い出だよな」

「これからも、ずっと親友でいようぜ!!」

「もちろんだ」

「でもさ。一つだけ不満があるよなー」

「不満? なんだよ?」

「ほら、俺たち随分遊んできたけど、タメの奴らみーんな男だったじゃん? そろそろ人生を共に歩む運命の彼女というか、そういうのが欲しいよなっ!!」

「……それはどうかな」

「……なんだよそれ? どういう意味だよ?」

「お前……俺らのタメがなんで男ばっかだったのか、知らないのか」

「えっ……なんで??」

「俺たちの年代は、男しか存在しないからだ」

「……は??」

「そして……もうしばらくしたら、全員女になる」

「はあ!?? 何言ってんだよ!? お前頭おかしいんじゃないのか!!?」

「おかしいのはお前だ。

 俺たち、甘エビだぞ? 子供の頃は全員オス、成長すると全員メスになるんだよ。自分の生態くらい知っとけバカ」

「……ってことは……

 俺たちも、そろそろメスになんのか……?」

「まあそういうことだ。お互いイケてる彼氏見つけなきゃな。産卵とかも結構大変らしいぞ。そん時は俺たち親友ってよりママ友だな」


「……無理。

 生理的に無理……」

「オスでいる方が無理だっての、生理的にな」




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