出せよ

「おい、もっとくれよ。もったいぶらずに」

「え……そんなに? もう嫌よ……」

「俺に従えないってのか? 知ってるんだぜ、あんたのダンナが一流企業でいいポジションにいることくらい……俺との関係、バラしてもいいのか?」

「彼は成績の上がらないただの営業よ? それに、第一こんな脅すようなことして……こんなの、あなたらしくないわ」

「なあ……もうちょっとだけ。いいだろう? 頼むよ」

「イヤよ。あなたはいつもそうやって私につけ込んで来る。これ以上はイヤ」

「そんなこと言ってて大丈夫か? ここには俺とあんたふたりきりなんだ。従えないなら、俺が力ずくで言うこと聞かせることもできるって、わかってんだろうな?」

「乱暴はやめてっ!!」

「ならさっさとしろよ。……困った女だな」

「……仕方ないわ……なら、ちょっとだけよ……?」



「はい、じゃあと1000円。無駄遣いしちゃダメよ」

「悪いな、母さん。……ってかこういうのもうやめたいんだけど」

「だってこんな風におねだりされるの、ゾクゾクするんだもん♡」

「ぐえっ。母さんのMっ気とか生理的にムリなんだよっ!!」




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