第3話状況解り始めそして外出

本当ボーッとして何も考えてない。先生がやって来てワシの左胸を開けガーゼ下の傷の確認しに来たときにやっとICDが埋め込まれたことを知り

「ICDが入ったらもう運転出来んよ」って言われた、特にショックを受ける感じも無くそうか…って感じ、(この時は思慮が足りず後々カミさんに散々恨み言言われるとは思いもせんかった)」1日暇だと思うこともなく過ぎていく。以前よく折り紙で折りばらを折ってたこと思いだしカミさんに折り紙買ってきてもらったが…あれだけ何万も折ってたのに思いだせん、説明書見ながらこんなんじゃったっけ?なかなかピンと来ることないまま途中解らなくなりながら何枚も何枚も折り上げやっと完成しても納得いくものが出来ずこれでええんか?って感じ。病院に運ばれてから何人もの先生にお世話になってる中の誰か分からないが先生に

「有り難いことなんで、有ることが難しいんで、当たり前のことなんて無いんで、奇跡の毎日なんよ。」って言われた事が頭に残り忘れられない、その時は奇跡は言い過ぎじゃろと思ったけどその通りです。ある日見覚えのない看護師さん4人くらい?病室に入ってきてテンション高く

「元気?大丈夫?」と思いっきり笑顔でベッドを囲まれた???分からない…思い出せない…話に愛想笑いする、折りためてた折りばらを渡す、そして嵐のように去っていった。すみません、思い出せなくて…今思えばお世話になったICUの看護師さんなのかな?と思う。

5月26日・次女の運動会で自宅に泊まりで戻ることになり、お見舞いに来てくれた人がいたら困るのでメモ書き残しておこうと思い書き始めるが…ん、漢字が書けない、忘れたんじゃない頭に字を思い浮かべることが出来るのに書くことが出来ん、線と線がどこと繋がってるのか何本線があるのか解らなくなる、ワシの名前も書けん、焦る、血の気が引く…怖い…急いでカミさんに漢字練習帳をお願いして買ってきてもらい始める、薄字になってる手本ををなそる、これは出来る。横に並ぶマスをで左から順に書き進める、取り戻そうと懸命に書き込む、大分進んだところで横から覗き込んだカミさんが

「何で左端のマスが全部空いとん?」と言い見返すと見事に左端のマスが縦列に空いてる、あれ??左端から書いたはずなのに…おかしい、気になる…と思いながらもたどたどしくメモを書き残すことが出来た。救急で運ばれてから初めて久しぶりに外に出る、迎えに来てくれた姉貴の車にカミさんと乗り込み移動する、帰り道見慣れた景色なんじゃけど何かしっくりこん、距離感が違う進んでる道は記憶では平地なのに下って見える

「なぁ、ここ下っとらん?下っとるじゃろ?」と姉貴に訴えるが

「いや…下ってないと思うよ。」…?自宅に着いて周りを見回すどうもピンとこんし、しっくりせん、それに外に出てからずっと何か白っぽいし眩しい、ついでに云うと目が覚めてからずっと何か喋り難い呂律が回らない、ゆっくり喋ると大分良いんだけど…気になる…

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