閑話休題:憧れの鳥は遠く、憧れの星は高く
万年筆沼に居を構えてしばらく、僕のうちでは基本的に鉄ペンばっかり増えて(そして消えて)いきます。
鉄ペンが好きなんですかね?
書き味としてはウォタ子やキャップレスさんの金ペン勢が気に入ってるんですが、ウォタ子はともかく、プーさんは書いてると不安になるんですよね。ペン先が柔らかすぎて、うっかり潰してしまいそうで……。
そう考えると、力加減をあまり気にせず使える鉄ペンを結構気に入ってるのかもしれませんね。
さりとて、欲しい金ペンが無いわけではないのですよ。
最近文具店で見つけて心奪われたのが、ペリカンさんのスーべレーン。
赤、青、緑の落ち着いた色合いに走る黒のストライプ。
キャップを外せば、ペン先には繊細なラインが模様を描き、薄い金と銀の二色で染められている。
そしてキャップの冠に刻まれたペリカンマークが優雅かつかわいらしい。
もう一目惚れですよ。とても素敵。
ぜひとも一羽連れて帰りたい。その衝動に突き動かされるまま、僕は値札をあらためました。
……一番安い子で一羽よんまんえんでした。
高い子になると、ごまんろくまん……天井は果てなく……。
いやー無理ですね。
スーべレーンは「いつか手に入れたい憧れ」の枠に収めざるを得ませんでした。
また、こんなこともありました。
『万年筆探訪記』の記事をツイッターで宣伝したところ、お友達からモンブランのマイスターシュテックなるものを紹介していただきました。
浅学ながら、モンブランの名前は知っていてもそのペンを見たことはなく、ググってみて驚愕しました。
……マックブック並みのお値段のペンってあるんですね……。
いや、王道という印象でとてもとても、とってもかっこいいのですけど。
その同じモンブランから、『星の王子様』をイメージした万年筆が出るという情報も引っかかったのでチェックして見ました。
これがまあなんと。とてもかわいい。
ペン先にね、星のマークが金色で刻んであるんですよ。それで、軸のデザインがまるで宇宙船を模したかのようで。
とてもかわいい、なのにかっこいい。
「欲しい! これは絶対に欲しい!」とテンションアゲアゲな僕はさっそくお値段をチェックしました。
いやー。無理ですね。完膚なきまでに無理ですね。
なんですかあれ。安いモデルでじゅうまんって。その上のモデルはよんじゅうまんって。
そんなの……デスクトップ何台か買えてしまうじゃないですか……。
憧れの鳥は遠く、憧れの星は高く。
さりとて、人は今や空を飛べるし、宇宙にだって飛びだせるのです。
だから僕も、いつか、いつか……。
そんな夢を見ながら、今日もキーボードを叩き日銭を稼ぐのでした。
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